職業:大学のキャリアセンターで新卒〜既卒・第二新卒の就職支援を担当(現職)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
経歴:大学を卒業後、5年間で5回の転職(派遣・アルバイト・正社員含む)を繰り返した経験から、職業選択の重要性を痛感。また派遣会社でのコーディネーターとして働きたいと考えていた時期があり、研究の為に約20社の派遣会社に登録した過去を持つ。現在は大学のキャリアセンターで働き、多くの求職者支援に携わる。
紹介予定派遣を利用した経験を持つ人は少ないと思いますが、私は過去に2つの派遣会社で紹介予定派遣を経験し、その中でテンプスタッフの紹介予定派遣を経て大手都市銀行の正社員になった経験があります。
この実際の経験に基づいて、テンプスタッフでの紹介予定派遣の体験談を詳しくお伝えしていきます。
テンプスタッフの紹介予定派遣を選んだ経緯
私は俗にいうFラン大学出身で、これといった経歴もありませんでしたが、それにも関わらず企業に求める条件だけは多く
なんとなく「大手が良い」という漠然とした考え(ですがこの漠然とした考えに固執していた)をしていた為、就職活動がとても長引いていました^^;
ですが…あまりにも就職先が決まらなかったので、最終的に「派遣で働こう」と考えるようになり、そんな時になんとなくテンプスタッフの広告が流れてきたので、軽い気持ちで派遣登録をしました。
テンプスタッフは大手企業の求人が多いので、うまく私のニーズにマッチしていました。
大手企業の紹介予定派遣を紹介される
私がテンプスタッフに行った当初は、正社員を諦めて派遣として働くつもりでした。
ですが、派遣登録で私の経験などを詳しく聞いてくださったアドバイザーの方が、その場で大手企業の紹介予定派遣求人を紹介してくれたのです。
私が紹介されたのは、超大手都市銀行の事務部門。
ここに、正社員前提で派遣されるという、自分には願ったり叶ったりのドンピシャ求人だったのですが…。
なぜなら、これまで数多くの不採用通知を受け取ってきた私が
ただでさえ人気で倍率が高く、入社が難しいと言われている大企業に正社員を前提として入る事ができるなんて…
そんなのおかしい。
正社員前提と言いながら、ずっと派遣で働かされるのかも。
最初はそういう不安しかありませんでした。
(紹介予定派遣の期間は最長6ヶ月なのですが、当時はその知識はありませんでした。)
ただ、もし転職するにしても(派遣とはいえ)大手企業に勤めていたという経歴は残るので、中小企業の正社員として働くよりも転職時にプラスになると考え、その求人に応募する事に決めました。
テンプスタッフの紹介予定派遣を利用した過程
紹介予定派遣とは、派遣社員として派遣先企業で一定期間働いた後、双方の合意のもと正社員や直接雇用として入社するという採用方法なので
派遣社員として一定の期間働く事で、正式に入社するまでに仕事内容や環境、相性などを確認できる期間があり、企業と派遣社員の両方にメリットがあります。
ちなみに派遣期間満了後は必ず正社員になるという訳ではなく、契約社員など直接雇用となる場合もありますが、そういった派遣期間満了後の雇用形態についてはあらかじめ提示されるので、雇用形態に納得してから応募する事ができます。
登録の流れ
テンプスタッフの紹介予定派遣に応募するには、まずWEBから派遣登録を行います。
<テンプスタッフ登録画面>
① | ② |
③ | ④ |
その後、登録したメールアドレスに登録内容や面談、また簡単なスキルチェックのメールが届きますので、面談までに確認する必要があります。
また、テンプスタッフの面談は、対面や電話・WEBなどで行います。(登録時に選択可能)
選考について
紹介予定派遣の求人に応募する場合、派遣先企業側の選考が行われます。
一般的な派遣では派遣先企業は選考に関わる事ができません。
(派遣先企業が派遣社員の面接を行う事は法律で禁止されている。ー労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第26条 第6項)
ただし、紹介予定派遣は「正社員など直接雇用を前提」としている為、派遣先企業が選考に関わる事が可能になります。
筆者の場合、選考は派遣会社への登録時に行われるスキルチェックと、求人に応募してから企業との面接が1回だけ行われました。
面接は、派遣先企業の役員の方が3名と、応募者が5.6人ほどの集団面接で、志望動機や自己PR・これまでに努力した事など、ありがちな質問を4つ程されました。(あらかじめどんな質問をされるのか、派遣会社からなんとなく聞いていました)
私が受けた企業の採用選考を通常ルートで受けた場合、筆記試験に加えて面接が4〜5回程度ある人気企業なので
1〜2回の選考で済むのは、まるでトーナメント戦のシード権を得たようで、とても有利な感じがしました。
派遣期間を経てから正社員として入社するまでの流れ
一般的な派遣と違い、紹介予定派遣の派遣期間は最長6ヶ月と決まっています。
これは、紹介予定派遣の派遣期間に「試用期間」の意味合いがある為です。
筆者の場合は派遣期間が3ヶ月で、派遣期間中は定期的にテンプスタッフの担当者が顔を出してくれ、仕事上の悩みや相談に乗ってくれました。
派遣会社の中には放任主義な所もあるようですが、テンプスタッフは非常に丁寧にサポートしてくれる、優良な派遣会社だと感じています。
そして3ヶ月後、テンプスタッフの担当者が双方の合意を確認し、私は正式に都市銀行の正社員として就職する事ができました。
ちなみに当時、私と同じように紹介予定派遣で採用された人は20名ほどでしたが、全員が正社員になりました。(1名は自分から辞退)
紹介予定派遣は「正社員になれる割合が少ない」などネガティブなイメージを持つ方も多いですが
実際に直接雇用に至らなかった原因のほとんどは「派遣社員側から辞退している為」という事実を知らない人が多いと思います。
そもそも紹介予定派遣を利用する企業は、正社員(直接雇用)の人材をミスマッチなく採用したいという思いがあります。
(でなければ、わざわざ通常の派遣を採用するよりコストのかかる紹介予定派遣を利用しません)
だからこそ一度紹介予定派遣で採用した人材は「直接雇用を前提」として考えているのです。
紹介予定派遣はメリットが多いので、なんとなくのマイナスイメージで嫌煙するのは勿体無いです。
正社員採用後、退職した理由【辛口】
私は、派遣期間が終了した後、正社員として採用していただいたにもかかわらず、この企業を短期間で退職しました。
紹介予定派遣とは、派遣期間に「その企業と自分が合うかどうかを見極める期間」です。
実は…
私は派遣期間中ずっと「自分には合わない」と感じていました。
そして、このまま正社員になる事は不安だとテンプスタッフの担当者にも相談していました。
ですが担当者の方は私の話をしっかり聞いてくれましたが、毎回、最終的には正社員になる方向に話が進んでいました。
これはテンプスタッフに限らず全ての派遣会社に言える事ですが、営利企業である限り利益を目的に運営されています。
紹介予定派遣を利用して派遣社員が企業に雇用されると、直接雇用となった時点で莫大な紹介料が派遣会社に入ります。(ちなみに相場は年収の30%程度です)
また、私自身「折角大手企業に入れたし、先方も正社員化の話を進めてくれているし…」という思いもあり
紹介予定派遣期間中に、自分に合っているかどうか考える事を有耶無耶にしていました。
ですので、決して当時のテンプスタッフの対応が悪かった訳ではなく、派遣期間中にきちんと見極めようとしなかった自分自身に問題があったと思っています^^;
ただし繰り返しになりますが、営利企業である限り、「迷っている」程度であれば正社員(直接雇用)をする方向で話は進められるので、決断は他人任せにするのではなく
派遣期間中は、自分自身との相性を自己判断するという姿勢で仕事に取り組むことをお勧めします。
紹介予定派遣期間はミスマッチを無くす為のものなので、こちらがミスマッチだと感じているのに無理に直接雇用を受ける必要はありませんし
ハッキリ断れば、無理やり直接雇用の契約に進む事はありません。
まとめ
テンプスタッフの紹介予定派遣を利用して大手企業の正社員になった私の体験を率直に書いてきましたが、実際に利用してみて総合的に感じるのは
テンプスタッフはとても良い派遣会社だったということです。
まず、大手企業や有名企業の求人が多いため、一般的なルートでは正社員として採用されるのは難しいとされる企業でも、シード枠のような形でチャレンジできるという点は非常に魅力的です。
それに、アドバイザーや担当者の方も傾聴スキルが高く親身になって話を聞いてくれるので、自分のスキルや経験の棚卸しがスムーズにできた事で、自分の視野を広げる事ができました。
結果的に私はすぐ退職してしまいましたが、この経験を活かし、再度紹介予定派遣を利用して、現在、別の企業に就職して就職支援の仕事をしています。
雇用形態が変わったからといって、自分自身の考えや感じ方は変わりません。また、接してくる周りの社員さんの対応も変わりません。
ですので、派遣期間中に感じる感覚を、ぜひ大切にしていただきたいですし、そういう意味で紹介予定派遣という制度は、正しく使えばミスマッチを防げる非常に良い働き方だと感じます。
テンプスタッフ紹介予定派遣の口コミや評判について、詳しくは下記の記事にまとめています。