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既卒

既卒のメリットとは|新卒や第二新卒より有利な点を解説

既卒のメリット
この記事を書いた人
名前:Kei
職業:大学のキャリアセンターで新卒〜若年者の就職支援を担当(現役)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種の他、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
備考:大学卒業後、新卒で金融業界に就職するも1年で退職。その後さまざまな仕事を経験するも、自分に合わず5年間で5回の転職を経験。この経験から仕事の選択の重要性を痛感し、キャリアコンサルタント等の資格を取得して大学のキャリアセンターに転職。これまでに多くの求職者サポートに携わる。

既卒は新卒や第二新卒と比べ、就職活動で不利になると言われています。

ですが既卒はそのメリットを高く評価されることもあり、時に新卒や第二新卒より魅力的な採用対象となる事もあります。

ただ…残念ながら、このメリットを理解していなければうまくアピールができず、就職活動が長引いてしまうこともあります。

という事で、この記事では既卒のメリットとは|新卒や第二新卒より有利な点を解説と題して解説していきたいと思います。

既卒におすすめの就職サイト|未経験に有利な転職エージェントの選び方既卒者が就職活動をする場合【既卒に特化】した就職サイト・転職エージェントを使う事が内定への近道になります。現役で若年者の就職支援に 筆者が本音で解説します!...

既卒は新卒・第二新卒・留年と比べて有利?

既卒男性
既卒男性
既卒は新卒や第二新卒と比べて就活が難しいと聞くけど、利点はあるのかな…?就活に自信がないな…
Kei
Kei
既卒は確かに不利な点も多いですがメリットもあるんですよ!大事なのは、それを理解して応募企業にうまくアピールできるかどうかです!

既卒と新卒どちらが有利?

既卒か新卒のどちらの就職活動が有利かと言うと…数字だけで見れば新卒の方が有利です。

令和元年の既卒者の募集状況を見ると、新卒採用枠に既卒者も応募可能とした事業所は70%というデータがあります。
参照:今後の若年者雇用に関する研究会

ただ、既卒とは卒業後いつまでを指すのか明確な定義がありません。
厚生労働省の指針では『少なくとも卒業後3年以内は新卒扱いに』となっていますが、実際にどう判断するのかは各事業所に任されている為、応募する際は求人毎にの応募要件を確認していく必要があります。

Kei
Kei
既卒の期間については、こんなデータもあります

新卒枠応募可能期間
引用:厚生労働省 ー事業主の皆さまへ

上記は既卒を受け入れた企業(5254事業所を対象)のうち、卒後何年までを新卒採用枠として応募可能にしていたかというグラフです。

「上限はない」としている所も40%程ありますが、1〜2年以内としている所も20%超ありますね。

このグラフはあくまで「新卒採用枠に応募可能な卒後期間」なので、新卒と既卒のどちらが良いか純粋に比較できるものではありません。

ですが「卒業後の年数が長いほど新卒採用の枠が狭くなる」という事は、既卒期間が短い方が評価する企業も多いと捉えることができます。

Kei
Kei
採用の間口の広さだけを取ると、既卒より新卒の方が有利だと言えますね
既卒男性
既卒男性
じゃあ、既卒の良い所は?
Kei
Kei
勿論ありますよ!

既卒が新卒より評価されやすい点は、大きく3点あります。それは…

  1. 新卒よりマナーやスキルがある
  2. 卒業まで待つ必要がない(すぐ働ける)
  3. 内定辞退のリスクが少ない

という点です。

Kei
Kei
一つずつ解説していきますね!

①新卒よりマナーやスキルがある

既卒は一般的に卒業後3年以内で正社員経験の無い人を指します。

まだ若く学生より社会人経験がある既卒は、例え正社員経験が無くても新卒に比べマナーやスキルがなどがある場合が多く、その部分を評価する企業は多いです。

社会人経験があると、例え正社員の経験は無くても仕事の進め方やコミュニケーション能力などが身についている事も多く、採用の有利な条件になります。

新卒だと就活のスケジュールに沿ってほぼ強制的に就活を進める為、自分のやりたい事やキャリアプランが明確でない方も多いですが、既卒はそれがハッキリしている事も多く、その場合は就活がスムーズに進むケースが多いです。

②卒業まで待つ必要がない(すぐ働ける)


また、既卒採用の一番のメリットは「卒業まで待たなくても、すぐに働いてもらえる」点だと言われています。

大学の一般的な新卒採用(2024年)の場合、大学4年生の6月に内々定→10月に内定→翌年3月卒業→4月入社という流れになります。

企業側からすると、採用を決めてから実際働いてもらうまでに約1年の期間が開く事になりますよね。

大企業であれば多くの人材を抱えている為、それで問題ない場合が多いですが、中小企業は人数も少なく退職などで急に人員不足に陥る事も多いです。そんな時、『欠員が出たから新卒を採用しよう』とはなりません。

「若手で、すぐにでも働ける人が欲しい」という企業のニーズに応えられるのは、新卒ではなく既卒です。

但しこういった求人はタイミングが大切なので、事前に就職サイトや就職エージェントに登録しておき、求人のお知らせにはすぐ対応できるようにしておきましょう。

③内定辞退のリスクが少ない

新卒の就活においては複数の採用試験を同時進行で受ける事が多く、内定を複数社から貰う事が多いです。

大手転職サイトであるマイナビの調査によると、中途採用の内定辞退率は、業種全体で11.0%となっています。中途採用状況調査2022年版

対して、新卒採用の内定辞退率は2022年3月卒で60%以上というデータがあります。(下記図参照)

就職内定辞退率
引用:就職プロセス調査(2022年卒)-(株)リクルート 就職みらい研究所

新卒と既卒(中途採用)の内定辞退率にはかなりの差がありますね。

新しく社員を迎え入れる際、会社側は教育プログラムの作成やPCや電話、備品準備等…多くの準備が必要になります。

しかしせっかく準備しても内定辞退されてしまえば、その労力が無駄になる上に新しく採用活動をしなければなりません。

新卒を採用するにあたり、企業側は内定辞退の大きなリスクを抱えているのです。

Kei
Kei
大企業ならまだしも、中小企業にとっては採用計画が大きく狂ってしまいますね。中小企業より大手の方が新卒採用を重視しているというデータがありますが、このリスクも一つの要因かと思います。

既卒と第二新卒どちらが有利?

既卒男性
既卒男性
新卒と比較して既卒にも有利な点があることはわかったけど、第二新卒と比べると…有利な点なんて無い気がする
Kei
Kei
いえいえ、そんなことはないですよ。既卒の方が評価されている点もあります。

正社員経験のある第二新卒に比べて既卒は

  1. 教育しやすい
  2. 現職の退職がスムーズ
  3. 第二新卒は短期離職の懸念がある

という3つの点が評価されることが多いです。

Kei
Kei
解説していきますね。

①教育しやすい

人は最初に入った環境から大きな影響を受けます。
新卒で入った会社の考え方が、その後の長い社会人生活の基準になる方が多いです。

その為、正社員経験のある第二新卒よりも既卒の方が「教育しやすい」と考える場合があります。

Kei
Kei
既卒や第二新卒は人物評価による所が多いので、実際の面接で「どう思わせるか」がポイントですね

②現職の退職がスムーズ

第二新卒の中には、在職中に転職活動を行っている方もいます。
その場合、応募先の企業から内定を貰ってから現職に退職の話をする方が多いです。

ですが…
退職の話をした所会社から引き止められ、折角内定を得たのに辞退してしまうという事もよくあります。

既卒はこの可能性が第二新卒と比べて少なく、内定後はスムーズにいくことが多いと言われています。

③第二新卒は短期離職の懸念がある

高校卒業者は就職後3年以内の離職率が36.9%、大学卒業者は31.2%というデータがあります。つまり、3割以上の人が入社から3年以内に離職する経験をしていることになります。
参照:厚生労働省 新規学卒者の離職状況

既卒と第二新卒の違いは「正社員経験があるかどうか」という1点です。

そして、企業側は新入社員を一から育てるのに大変な労力が必要となります。
3年育てて「やっと仕事を任せられる…」と思った頃には3割以上の社員がいなくなっているのです。

既卒男性
既卒男性
それは企業側に大ダメージだね

離職する人の中で、何度も転職を繰り返す方は多いです。
その為、応募の際に転職回数に制限をかけている企業もあります。

第二新卒を採用する際、採用側はどうしても「ウチも短期で辞めるのでは?」と考えてしまいます。
その点においては、まだ就職経験の無い既卒の方が評価されるでしょう。

Kei
Kei
ただし、既卒は「なぜ既卒になったのか」「既卒の間何をしていたのか」という質問を高確率でされます。既卒期間にメリットを感じさせるような回答を準備しておく必要がありますね

既卒と就職留年どちらが有利?

既卒男性
既卒男性
学生時代に就職がうまくいかなかった場合、既卒より就職留年した方が有利なのかな?
Kei
Kei
有利かどうか…より、自分がどちらにメリットを感じるかですね

就職留年とは、内定がもらえなかったり希望する企業に採用されなかったりして就職活動がうまくいかなかった学生が、学校に1年間留まって翌年度に再度就職活動を行う事を指します。

ちなみに「就職浪人」は、卒業までに就職先が決まらなかった人が留年などせず学校を卒業して就職活動をすることです。

Kei
Kei
つまり就職浪人=既卒ですね。

就職留年をする一番大きなメリットは、「新卒採用枠」に応募ができる点です。
在学中の就職活動は留年をしていても新卒採用枠での応募になります。

一度学校を卒業してしまうと「既卒」扱いになります。
一般的には採用に関して新卒の方が既卒よりメリットが多いと言われていますので、就職留年を考える人もいるようです。

ですが、安易な就職留年はおすすめできません。

就職留年をした場合、面接で『なぜ留年したのか』と質問されます。
その際『就職のために留年した』と答えても評価してもらえません。

面接官
面接官
就職がうまくいかず留年するなんて、対策や準備が出来ない子なのかな…。

とマイナス評価される可能性が高いので、単に「就職の為に留年しました」だけではなく、留年した事で得た事をプラスαで伝える必要があります。

Kei
Kei
ただ、それに対しては既卒も同じですね。既卒期間に何もしていなかったというのは面接官から見てマイナスになります。

また就職留年は、学費がかかるという点も大きなデメリットになりますが、逆に既卒は学費がかからないのでその部分はメリットと言えるかもしれないですね。

既卒採用のメリットを最大限に活かす方法

既卒男性
既卒男性
既卒のメリットを活かして就職活動をするには何に気をつけたら良いのかな?

既卒採用のメリット

新卒・第二新卒・就職留年と比べると、既卒はデメリットもありますがメリットも多い事をお伝えしました。

既卒は、新卒よりマナーやスキルがあり、勤務開始日に柔軟性(すぐ働ける)があり、第二新卒より内定辞退が少なく、教育しやすいという利点があります。

ですが若手採用はキャリアが浅い分、人物重視の傾向があります。採用側にある程度既卒のイメージがあっても「貴方はどうなのか」と、個人の人物像について深く探られます。

ですので、上記のメリットを把握した上で、素直さや熱意、向上心など貴方の良さをアピールし、ポテンシャルを評価してもらえるようにしましょう。

メリットを最大限に活かす方法

既卒男性
既卒男性
ポテンシャルを評価してもらえるようにと言っても…正直何をどうしたら良いのかわからない…
Kei
Kei
それなら【既卒に特化】した就職サイトや就職エージェントを活用する事をおすすめします。

私は普段から若年者の就職支援に関わっているのですが、「1人で就職活動を進める方は、中々スムーズに進まない事が多い」と感じています。

なぜなら採用は「自己評価でなく他者評価で決まる」からです。

正直、就活ってわからない事が多過ぎますよね^^;

  • 求人票を見ていても、正直何が自分にあっているのかよくわからない
  • 履歴書や職務経歴書はどう書いたら良いのかわからない
  • 自分の長所や短所がわからない
  • 面接で緊張してうまく喋れない
  • どうアピールしたら良いのかわからない
  • そもそも言語化するのが苦手
  • もはや何をしたら良いのかわからない

こういった場合、自分1人で考えていても限界があります。
そんな時は親や友人に相談するのも勿論大切ですが、プロの力を借りる事が大切です。

Kei
Kei
就職活動中の方は、自分の長所に気付いていなかったり、面接官にうまく伝えられなかったりと…正直勿体ないと思う事が多いです。

ですので、就職活動をされる際は是非【既卒に特化した就職サイトや就職エージェント】を使う事をお勧めします。

就職サイトやエージェントは、自己分析や履歴書添削、面接練習など全て無料で行ってくれます。

Kei
Kei
求職者が企業に採用されると、企業はエージェント側に報酬を支払います。その為、これらのサービスは無料で使えますしエージェント側も就職させようと頑張ってくれます。

大手就職サイトや大手就職エージェントは、どちらかというと正社員経験のある方向けの求人が多い印象です。その為、そちらばかり使っていると中々就職活動がスムーズに進まない可能性があります。

大手就職サイトや大手就職エージェントは求人数も多く、自己分析ツールなども充実しているのでぜひ活用して欲しいのですが、就職活動をスムーズに進める為には、既卒に特化したサービスを並行して使っていく事が、内定獲得への近道です。

既卒に有利な既卒向け就職サイトや転職エージェントについては、下記の記事も参考にしてくださいね!

既卒におすすめの就職サイト|未経験に有利な転職エージェントの選び方既卒者が就職活動をする場合【既卒に特化】した就職サイト・転職エージェントを使う事が内定への近道になります。現役で若年者の就職支援に 筆者が本音で解説します!...
Kei
Kei
ぜひ自分にあった方法で、納得のいく就職活動を行なって下さいね。皆さんの就職活動を心から応援しています!