職業:大学のキャリアセンターで新卒〜既卒・第二新卒の就職支援を担当(現役)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
備考:大学卒業後、新卒で銀行に就職したものの1年で退職し、その後5年間で5回の転職を経験。この経験から職業選択の重要性を痛感し、キャリアと心理に関する複数の資格を取得。大学のキャリアセンターに転職しこれまでに多くの求職者サポートに携わる。
※この記事は、キャリアコンサルタント(国家資格)を持ち、現役で就職支援に従事している専門家が解説しています。
転職のつなぎなら短期アルバイトが基本
転職するまでのつなぎとして割り切って働くなら、基本的には短期アルバイトをおすすめします。
というのも、転職にかかる平均的な期間は約3ヶ月と言われているからです。
コンビニやレストランなど、長期を前提としたアルバイトは基本的には避けた方が良いです。
なぜなら、アルバイトを雇用している側からは「フリーター」として見られ、シフトに頼られたり、抜け出しづらい状況に陥る可能性があるからです。
またアルバイト期間が長引けば、企業からの評価が落ちる事が多いです。
そのため、つなぎと割り切るなら短期アルバイトをする事が大前提です。
ただし、応募先の評価に繋がるようなアルバイトであればこの限りではありません。(販売のアルバイトをしていて、販売の正社員の仕事を目指すなど)
つなぎにおすすめのアルバイト
転職活動中、企業から急に面接日や勤務開始日を要求され、スケジュールが調整しづらい事がよくあります。
ですので、「スケジュールを調整しやすい」という視点からおすすめのアルバイトを紹介します。
在宅ワーク
コロナの影響で数年前から増えた在宅ワークですが、アルバイトも増えています。基本的にはPCを使用するアルバイトが多いです。
基本的には「この作業をいつまでに」という部分さえ守れれば時間の制約がない所が多いので、スケジュール調整が非常にしやすい点がおすすめできます。
データ入力
データ入力の主な作業は、与えられたデータを受け取り、特定のフォーマットにワードやエクセルなどで入力することです。通常、報酬はデータ1件に対して支払われ、出来高制が一般的です。作業は単純で、タイピングが早い人や、集中力のある人、黙々と進められる方におすすめです。
Webライター
Webライターは文章を作成する仕事で、クライアントから指定されたテーマに沿って作成します。「難しそう…」と感じられるかもしれませんが、多くの求人があり、未経験アルバイトでも可能なので、文章を書く事が好きな人におすすめです(ただし未経験だと報酬は低めです)
求人情報サイトの他、ランサーズやクラウドワークスなどでも探す事ができます。
アンケートモニター
実際に商品やサービスを利用し、その意見や感想をフィードバックする仕事です。通常、オンラインプラットフォームを介してアンケートを受け取り、回答します。
アンケートの内容は多岐にわたり、製品の評価、広告の効果、市場調査、消費者の意見などが含まれます。
その他
在宅ではなく、外で働く場合は下記のようなアルバイトがあります。
物流センターでの仕分け・ピッキング
物流センターなどで、商品を出荷先の店舗・地域ごとに仕分けする作業です。どんな商品を取り扱うかは物流センターにより様々ですが、基本的には体力の要る仕事です。
深夜勤務がある所も多いので、日中急な面接の予定が入っても対応できますし(体力的には大変ですが)時給が高い場合も多いので集中的に稼ぎたい方にも向いています。
引っ越しスタッフ
引っ越しのアルバイトは基本的に体力が必要ですが、時給が高めなので繁忙期にまとめて稼ぐ事が可能です。
通年採用ではありますが、卒業・入学シーズンなど繁忙期があり、面接したその日からアルバイトに入るケースもあります。
また、給与が日払いで貰える場合もあるので、すぐにお金が必要だという場合にはおすすめのアルバイトです。
ポスティング
ポスティングの仕事は、指定されたエリアの住宅街のポストに投函する仕事です。時給制と成果報酬制の2つがありますが、両者とも自分で働く時間を調整しやすいのが特徴です。
キャンペーンスタッフ
家電量販店などでお客さまを呼び込み、製品やサービスの宣伝、サンプルの配布、イベントの運営サポート、来場者への案内などを行います。求人は通年に渡ってあり、「土・日曜日の2日間」「祝祭日」「お盆など長期休み」等が多いので、平日週5日勤務の会社に応募するのであれば選考日がバッティングする事も少なく、おすすめの働き方です。
アルバイトをしなくても収入を受け取れるケース
自己都合退職※(自身の都合によって勤務先を辞めること)の場合、2ヶ月の給付制限期間の後に前職の給与の5〜8割を受け取る事ができます。
※会社都合の場合は7日間の待機期間のみ
失業給付は、雇用保険の加入期間等の条件を満たせば、雇用形態に関わらず受給することができます。
失業保険の受給について
失業保険の受給資格を持っているのは、雇用保険の加入者です。
従業員の雇用保険加入は事業所側の義務として法律で定められている為、条件を満たしていれば、雇用形態に関わらず加入する事となります。
- 週20時間以上の所定労働時間(週の労働時間が不定期で20時間を超えたり超えなかったりする場合「月の総労働時間が87時間以上が加入の目安」となります)
- 雇用期間に定めのない人や、31日以上の雇用期間が見込める者
短期アルバイトを履歴書の職歴欄に書く場合
アルバイトの記載は義務ではない
履歴書など応募書類の職歴欄には、正社員として働いた期間は記載しなければなりませんが、短期アルバイトなどの記入は義務ではありません。
短期アルバイトをまとめる書き方
職歴欄の空白期間が長いと不思議に思われる可能性があります。
もし短期間にいくつもの短期アルバイトを行ったのであれば、
20XX年○月〜○月の間、複数の短期アルバイトに従事
など、まとめて書いてしまうという方法もあります。
企業が空白期間を気にし出すのは3ヶ月が目安です。
もしアルバイト期間が3ヶ月以上であれば、アルバイト経験を記載した方が良いと判断する事もできます。
最後に
就職活動のつなぎとしてアルバイトをするのであれば、短期間かつスケジュール調整がしやすいものを選ぶ事が大切です。
ですが、もしあなたが失業保険の対象者なのであれば、アルバイトをせずに就職活動に専念する事がおすすめです。
というのも失業保険は「早く就職が決まった場合」、再就職手当が貰えるからです。
私自身、就職支援の仕事をしていて感じるのですが、就職活動はしっかり行おうとすればするほど時間がかかります。
また、アルバイトしながら就職活動をするとどちらも中途半端な状態になり、就職活動期間が長くなる事が多いです。
その為、筆者としては「就職活動中はそれに専念し、どうしてもアルバイトをするなら短期」という考え方をおすすめします。
既卒・第二新卒など20代は転職市場で価値が高い
就職活動にじっくり時間をかけたいという人もいるので、一概には言えませんが
既卒や第二新卒など20代は転職市場で価値が高いので(条件が高すぎたりしない限りは)直ぐに決まる事が多いです。
少子高齢化で人材不足の日本において、20代の既卒・第二新卒の方の価値はとても高いです。
日本の給与は20年間上がっていないと言われていますが、実は「新卒」の給与はゆるやかに上がっています。
男性 |
女性 |
引用:新規学卒者初任給ー(独)労働政策研究・研修機構
「経験の無い新卒の給与が上がっている」という事は、それだけ20代の将来性や労働力に価値があると評価されているという事です。
また、既卒・第二新卒向けの転職エージェントは、一般に比べてキャリアカウンセリングに重きを置いている所が多く、細やかなサポートを行なってくれます。
アルバイトと面談日の日程調整や、できるだけ早く転職先を決めたいというような希望にも親身に対応してもらえる事が多いです。
筆者がおすすめできる既卒・第二新卒向けの就職サイト・転職エージェントについては下記の記事にまとめていますので、ぜひ参考にして下さいね!
- 既卒…学校を卒業して約3年以内の正社員経験の無い求職者
- 第二新卒…学校を卒業して約3年以内の正社員経験のある求職者