職業:大学のキャリアセンターで新卒〜既卒・第二新卒の就職支援を担当(現役)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
備考:大学卒業後、新卒で銀行に就職したものの1年で退職し、その後5年間で5回の転職を経験。この経験から職業選択の重要性を痛感し、キャリアと心理に関する複数の資格を取得。大学のキャリアセンターに転職しこれまでに多くの求職者サポートに携わる。
※この記事は、キャリアコンサルタント(国家資格)を持ち、現役で就職支援に従事している専門家が解説しています。
転職エージェントを使わない方が良いと言う意見
転職エージェントは非常に便利なツールではありますが、不快な思いをした人も沢山います。
去年今の職場が決まった時に登録解除した転職エージェント、解除したのにいつまでもメール来るから改めて連絡してもっかい手続きしてもらったのに、今日また電話かかってきた😓転職活動時もいきなり連絡来なくなって結局使わずに転職したし今後転職することになっても絶対使わないわ…どうしたら個人情…
— Adele (@inoukyouka) August 29, 2023
もう二度と転職エージェントは使わない。
自分のペースで進められないし、メールや電話でのやり取りが面倒で仕方ない。— ちざる (@adhdchizaru) June 9, 2023
転職エージェントで嫌な思いしたから一生使わない
— ゆっちゃ (@ynuuu08) September 22, 2023
転職エージェントを使って後悔した人の意見をまとめると、大きく分けて以下のようになります。
- 連絡がしつこい
- 担当者と相性が合わない
- 自分のペースですすめられない
- 希望の求人を紹介してもらえない
- 強引に勧められる
既卒・第二新卒が特に気をつけた方が良い点
転職エージェントを利用した人の不満の一つに、「強引に求人を勧められた」というものがあります。
そしてこれは、既卒や第二新卒の方には特に気をつけて欲しい部分です。
まだ社会人経験が浅い既卒や第二新卒は、自分の「やりたい事」や「適性」をうまく把握できておらず、ターゲットになる可能性が他の層に比べて高いと言えます。
また、後述する「転職エージェントの裏事情」によって、転職エージェントから強引に求人を押し付けられるケースもあります。
転職エージェントの裏事情
転職エージェントを利用すると、求職者は無料で手厚いサポートを受けられます。
- 求人紹介
- 履歴書・職務経歴書等の作成
- 面接練習
- 企業との調整
- キャリアコンサルティング
- 就職活動全般のサポート
転職エージェントは求人企業に人材を紹介し、採用されるとその人材の年収約30%を報酬として受け取ります。
転職エージェントはあくまで営利企業です。
高額な報酬のために、強引に求人をすすめて決定させようとするケースも否定できません。
これは私自身の経験ですが、当時自分の適性や、やりたい事が明確で無かったため、転職エージェントに勧められるがまま内定を承諾してしまいました。
ですがやはり自分にあわなかった為、その職場は短期で離職する事となってしまいました…。
転職エージェントは多くの場合「成功報酬」となります。つまり求職者が早く内定を決めてくれた方が、労力が少なくて済むわけです。
ただし、本当にお勧めできるから強気に勧めている可能性も考えられます。
現在、私自身が求職紹介をしていて感じるのですが、若年者の方ははっきりと見える選択肢を優先しやすい傾向があると思います。
ただし、その人のキャリアを長い目で見た時に、その会社が面談時の希望と明らかに乖離している場合は「こっちの方が希望に適しているのではないですか?」と提案をしたりします。
転職エージェントは既卒・第二新卒より経験や知識が豊富です。その為、良くも悪くも求職者より高い視点からアドバイスをする事が多いです。
ですので「強引に勧められる=報酬の為」と考えるのではなく
紹介された求人が本当に自分自身に適しているかどうか、自分がやりたい事かどうかという「自分軸」で考える事が大切です。
※ただしどうしても合わない場合は無理に利用し続ける必要はありません。その場合は担当者を変更するか、転職エージェント自体を変えましょう。
転職エージェントを使わず自分で転職活動をする方法
転職サイトは、求人情報を閲覧し自分で応募するプラットフォームです。
一方、転職エージェントは専門家が求職者に合った求人を提案し、サポートを行うサービスです。
転職エージェントは求職者にとって受動的なサービスであるのに対して、
転職サイトは能動的なサービスと言えるでしょう。
求人を探すには下記の方法があります。
- 転職サイト
- 転職エージェント
- ハローワーク
- 求人情報誌
- 興味のある企業のサイトから採用情報を探す
- 友人・知人からの紹介
ただし、求人情報誌や企業サイト、友人知人からの紹介だと求人数はかなり限られてしまいます。
ハローワークの特徴
「新卒応援ハローワーク」という名前から誤解されやすいのですが、このハローワークは既卒や第二新卒も利用する事ができます。
ただし、(新卒応援)ハローワークの利用に関しては色々とネガティブな意見もあります。
転職エージェントを利用する企業は、人材採用に多額の費用を負担している一方
ハローワークは企業側も無料で利用できるため、人材採用に対するアプローチに温度差があるとの意見があります。
ただし、ハローワークにも優れた企業は存在しますし、一部の企業は転職エージェントとハローワークの両方で求人を出していることもあります。
従って、あまり決めつけずに選択肢を検討することが重要です。
転職エージェントを利用するメリット
ここまで転職エージェントのマイナス面について書いてきましたが、正確に判断する為にはプラス面も知っておく必要があります。
転職エージェントを利用する場合、下記のようなメリットがあります。
- 無料で利用できる
- 今後のキャリアプランや自分の適性等、何でも相談できる
- 履歴書や職務経歴書など、応募書類の添削をしてくれる
- 面接練習を行なってくれる
- 選考の通過率が高くなる
- 非公開求人を見る事ができる
- 企業との日程調整などを代行してくれる
- 年収交渉などを代行してくれる
メリットの中でも、「何でも相談できる」「非公開求人が見られる」「年収交渉など条件面の代行交渉」が既卒・第二新卒の方にとって特に魅力的です。
非公開求人が見られる
転職エージェントの非公開求人とは、一般の求人サイトや一般には公開されていない、限定的な求人情報のことを指します。
大手企業や人気企業からの求人がある事も多く、求人の質は高めです。
転職エージェントに非公開求人を出す理由として、以下の点が挙げられます。
- 急な欠員等が発生し求人を公開して募集する時間がない(つまり採用率が高い)
- 既存の従業員と新規採用者の採用条件が異なる場合があり、公に知られると社内でトラブルになる可能性がある
- 競合他社に知られたくないプロジェクトや事業戦略に関わる人材を採用するため
- ⼈気の企業や職種の場合、公開求⼈だと応募が殺到し選考に時間を要するため
年収交渉等を代行してもらえる
内定が出た後の条件(給与や入社時期など)を内定先企業に直接交渉するのは、心情的に難しく感じるはずです。
こういった状況で、転職エージェントの存在は非常に役立ちます。
エージェントを介することで、年収や入社日などの交渉がスムーズに進行し、難しい交渉もスムーズに取り決めることができるからです。
何でも相談できる
そして、私が既卒・第二新卒の方に得にメリットだと思うのは「転職に係る事は何でも相談できる」という点です。
なぜなら、まだ社会人経験の少ない求職者にとって、一人ひとり悩むポイントが違うからです。
特に「適性がわからない」「やりたい事がわからない」など、就職活動の入り口で迷っている方は、そもそも「何をどう質問したらいいのかわからない」という状況に陥ることがあります。
そんな時、既卒・第二新卒向けの転職エージェントであれば、豊富な経験から「この人はこういった事が向いているのではないか」「本当に言いたいのはこういう事ではないか」と予測して対応してくれます。
一般向けの転職エージェントに比べ、既卒・第二新卒の転職エージェントはカウンセリングに力をいれている所が多いです。
勿論、最終的には自分の判断で決断しなければなりませんが、自分の思考を整理したり、色々な視点からアドバイスをしてくれるというメリットは非常に大きいです。
最後に
既卒・第二新卒は転職エージェントを使わない方がいいと言われている理由について解説してきましたが…
連絡がしつこいと感じるのであればメール設定を変更したり、担当者が合わないのであれば担当者の変更や転職エージェントを変える等、自分の行動で解決する事ができます。
また、転職エージェントに強制力はありません。ですので強引に求人を勧められても、自分に合わないと思うのであればハッキリと断れば問題ありません。
理由は上述した通り、利用しない場合に比べて利用した方が非常に多くのメリットがあるからです。
このサイトがあなたの就職・転職活動に少しでも参考になれば幸いです!