職業:大学のキャリアセンターで新卒〜既卒・第二新卒の就職支援を担当(現役)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
備考:大学卒業後、新卒で銀行に就職したものの1年で退職し、その後5年間で5回の転職を経験。この経験から職業選択の重要性を痛感し、キャリアと心理に関する複数の資格を取得。大学のキャリアセンターに転職しこれまでに多くの求職者サポートに携わる。
この記事では、実際にハローワークで職業相談を行い、現在は就職支援の仕事をしている筆者が、サクッと終われる職業相談の質問例を21個紹介します。
求職活動実績の注意点
失業手当を受ける為に、認定日までに必要な求職活動実績については下記の通りです。
会社都合退職 | 自己都合退職 | |
初回認定日 | 1回以上 | 1回以上 |
給付制限あけ の認定日 |
そもそも 給付制限が無い |
給付制限が 2ヶ月の場合:2回以上 3ヶ月の場合:3回以上※ |
それ以降の認定日 | 2回以上 | 2回以上 |
※3回以上のケース:短期間に何度も転職した人は給付制限期間が長くなります。そして、その給付制限期間(2ヶ月/3ヶ月のどちらか)で必要な給付制限期間の求職活動実績回数が変わり、給付制限期間3ヶ月なら3回以上必要になります
求職活動実績は「退職理由」や「何回目の認定日か」などで必要な回数が変わります。
ただし給付制限期間明けの認定日以降は全員、必要な求職活動実績が2回となります。
<給付制限期間によって必要な求職活動実績の回数が変わります>
※注:給付制限明けの認定日とは初回認定日ではなく「失業手当が支給される認定日」です。自己都合退職の場合、初回認定日には支給されません。
以前は自己都合による退職であれば給付制限が3ヶ月だったのですが、法改正により、令和2年10月1日以降に自己都合退職した労働者は、給付制限期間が5年間のうち2回まで、3か月から2か月に短縮される事となりました。
(つまり短期間に何度も転職した人は給付制限期間が長くなる)
そして、この給付制限期間が2ヶ月か、それとも3ヶ月なのかで、必要な給付制限明けの認定日に必要な求職活動実績の回数が変わります。
給付制限期間2ヶ月の場合…2回以上
給付制限期間3ヶ月の場合…3回以上
また、最初に行った雇用保険説明会は1回の実績としてカウントされるので、実際は必要回数から1回分引いたものが給付制限明けの認定日に必要な回数となります。
ちなみにこれは給付制限明けの認定日に限るので、それ以降に必要な求職活動実績は全て2回となります。
追記:今後、給付制限期間は変更される可能性があります
※2023.10.26追記
厚生労働省は自己都合退職の制限を緩和し、現在の退職後2か月余りより早く受け取れるようにする方向で検討を進めることを発表しました。
給付制限の期間をどの程度短縮するか等は現在検討中で、年内を目標に制度の改正案の取りまとめを目指していくとしています。
職業相談の質問例
この記事では求職活動実績の職業相談質問例について、以下のポイントをふまえて作成しています。
対象者:求職活動をゆっくり行いたい人
- 短時間で終わる
- 簡単で手間がかからない
- 求人の応募などに繋がらない
職業相談で、求人についてあまり具体的な事を質問すると、その場で求人先企業に問い合わせる等して選考が進んでしまう可能性があります。
ゆっくり活動したい場合、具体的な質問は避けた方が無難です。
応募書類の書き方(7問)
筆者自身、現在は職業相談を受ける立場にあるのですが、相談者が書類の書き方について質問に来られた場合は比較的すぐ終了します。
ただし自己PRや志望動機、長所などの「中身」について質問するのはおすすめしません。
というのも、こういった自分自身の価値観に関わってくるものは、求職者の経験・希望・キャリアの棚卸し等が必要になってくる為、時間がかかる事が多いからです。
例えば「自己PR欄に何を書けば良いのかわからない」と質問した場合
ハローワークの職員から「これまで活躍した経験は?」「どんな仕事をしたいのか?」「どういった事がわからないのか?」と経験や質問を深堀りされます。
相談を早く終わらせたいと考える場合、内容ではなく形式や書き方といった「外側の部分」に焦点を当てて質問する方がサクっと終わります。
- 履歴書の経歴欄の書き方について(中学卒から書く?アルバイトは書いて良いのか?など)
- 履歴書の趣味欄はどんな事を書くのか(自分自身の趣味をそのまま書いていいのか)
- 履歴書の特技欄はどんな事を書くのか(自分自身の特技をそのまま書いていいのか)
- 履歴書の右上に書く日付は何と書けばいいのか(提出日付?作成した日付?)
- 職務経歴書の書き方について(何回も転職している場合どう書けば良いのか、など)
- 応募書類を郵送する際のマナーはあるか(封筒のサイズ、色、特定記録郵便で出すべきか、急いで送る場合に速達で送ると失礼にならないか、期限の何日前までに提出すべきか、など)
- 応募書類を郵送する際の送付状の書き方について
面接について(7問)
ハローワークでは面接について質問する事も可能ですが、質問の際は感情面ではなくマナーや手順などに焦点を当てる事をおすすめします。
というのも、例えば「面接で緊張してしまう」という自分の感情面に焦点を当てた質問をすると、「なぜ緊張するのか」「どういう時に緊張がおこるのか」など感情の深堀りになり、会話の着地点が不明確になって話が長くなってしまう可能性があります。
- 面接で「私服でお越しください」と記載されている場合、スーツで行ってもいいのか
- 面接にオフィスカジュアルと指定された場合、どんな服装をすれば良いのか
- コートなどを羽織って面接会場までいく場合、コートはどこで脱ぐのか
- 面接の際、面接室のドアをノックしてから着席するまでの一連の動作を知りたい
- 面接でよく聞かれる質問を知りたい
- 面接の最後で、「最後に何か質問はありますか?」と聞かれたら、どんな事を質問するべきか。逆に質問が無ければどうすれば良いか
- オンライン面接を受ける時に、何か気を付けるべきポイントはあるか
求人について(7問)
ハローワークの扱う求人について質問をして、具体的な求人を探して貰う事も可能です。
ただし、求人についてあまり深く質問すると「応募の意思がある」と思われ、求人企業先にその場で電話してくれたり、選考が進むケースがあります。
ゆっくり求職活動を行う予定の方は「話の着地点」を考えながら質問するようにしましょう。
- 地元で働きたいので、転勤の無い仕事をいくつか教えて欲しい
- 給与が○○以上の営業職では、どんな求人がありますか
- 年間休暇日数が120日以上の求人はありますか
- 残業があまり無い求人はありますか
- 育休取得率が多い事務系職種の求人はありますか
- 女性割合の多い企業の求人はありますか
- 未経験歓迎の求人について教えてください
こういった質問をすると、ハローワークの方は具体的な求人を探してくれます。
ここで紹介された求人に興味がある反応をすると、そのまま応募の流れになる可能性がありますし
更に「求職活動をしていて興味がある求人なのになぜ応募しないのだろう?」と不思議に思われる可能性があります。
ですが、その場の雰囲気や会話に流されて面接の調整まで済んでしまうと、後日面接辞退をする事になり、ハローワークにも企業側にも迷惑がかかります。
面接に進みたくない場合は
- 「興味はありますが、もう少し考えてから応募します」
- 「応募については家族と相談してから決めます」
など、その時点で応募しないという意思をきちんと伝えましょう。
職業相談の注意点
ハローワークの職業相談は認定日に行う方が多いと思いますが、認定日当日の職業相談は認定を済ませてから行わなければなりません。
また、多くの場合、認定日に2回の求職活動実績が必要となりますが、同じ日に2回職業相談を行なっても1回としかカウントされないので気をつけてください。
そして、この認定日に行う職業相談は「次回」の実績になります。
職業相談のみで求職活動実績の回数をクリアする事もできますが、別日に行う必要があるため、現地まで行く手間や準備に時間がかかってしまいます。
また、求人への応募は、1企業につき選考が進んでも1回の実績とみなされます。
求職活動実績の回数を増やすために求人への応募→辞退を繰り返すのはトラブルの元になり、企業側に迷惑をかけてしまいますので控えましょう。
筆者としては転職エージェントが行うオンラインセミナーへの参加をおすすめしています。
(※転職サイトのセミナーは求職活動実績とみなされない可能性がある為、転職エージェントを推奨)
民間の職業紹介事業者や労働派遣事業者が行う職業相談、職業紹介、各種講習・セミナーの受講等で求職活動実績として認められるものは、許可・届出のある民間事業者に限ります。
この職業紹介事業所というのは、職業安定法第4条第1項において「求人及び求職の申し込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることをいう。」と定義されています。
つまり求人を出している側と求職者との間に立って雇用を斡旋する事業所を指すので、求人情報を掲載している、いわゆる「転職サイト」が開催しているセミナーはこれに当てはまらない可能性があります。
ですがこれはセミナー等に関しての条件であり、求人への応募については転職サイトであっても認められます。
ハローワークの求職活動実績として認められるものについては、下記の通りです。
① 求人への応募
② ハローワーク等が行う職業相談、職業紹介、各種講習・セミナーの受講等
③ 許可・届出のある民間事業者(民間職業紹介事業者、労働派遣事業者)が行う職業相談、職業紹介、各種講習・セミナーの受講等
④公的機関(地方自治体、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構、求人情報提供会社、新聞社等)が行う職業相談、各種講習・セミナー、個別相談が出来る企業説明会等の受講、参加等
⑤ 再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験の受験等
ただし、認定基準は地域毎で若干の違いがあるようです。正確な情報は読者の方がお住まいのハローワークに確認する事をおすすめします。
リクルートエージェントは、転職エージェントでありながらオンラインセミナーの種類が豊富で、かつ求人への応募も可能です。
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ハローワークの職業相談は、受付で申し込み、自分の順番が来るまで待つ事になりますが、タイミングによっては長時間待ち時間発生する可能性があります。
ですが、オンラインセミナーやオンラインからの求人応募であれば、自宅から行える上に時間の拘束が無いのでおすすめです。
その中で、筆者がリクルートエージェントをおすすめする理由は、何よりもまず利用のハードルが低いからです。
- 誰でも登録できる
- 登録のみでオンラインセミナーに参加できる
- 登録のみで求人閲覧・応募ができる
- キャリアアドバイザーとの面談が不要
- 年齢制限が無い
- 登録が簡単(最短3分)
- 退会が簡単
リクルートエージェントはセミナーの種類も多く、また年齢制限もなく、面談を経なくてもオンラインセミナーに申し込めるので、とても手軽に利用できる点がポイントです。
リクルートエージェントのオンラインセミナー
よく求職活動実績の回数を稼ぐ為に、希望していない企業に応募している人を見かけますが
それは履歴書を作成する手間や、応募企業側の手を煩わせる事にもなります。
それなら、オンラインセミナーに参加して就職情報を集めた方が、よほど有益だと思います。
また、リクルートエージェントは、転職支援実績No1誇る転職エージェントなので、オンラインセミナーだけでなく求人数・サポート体制・アドバイザーの質などどれをとっても優れており、転職活動をするなら登録しておいて損はない転職エージェントです。
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