職業:大学のキャリアセンターで新卒〜既卒・第二新卒の就職支援を担当(現役)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
備考:大学卒業後、新卒で銀行に就職したものの1年で退職し、その後5年間で5回の転職を経験。この経験から職業選択の重要性を痛感し、キャリアと心理に関する複数の資格を取得。大学のキャリアセンターに転職しこれまでに多くの求職者サポートに携わる。
※この記事は、キャリアコンサルタント(国家資格)を持ち、現役で就職支援に従事している専門家が解説しています。
「あなたにとって」精神的に楽な仕事とは
精神的に楽な仕事を探しているという事は、逆に言うと今が精神的に辛い状態なのだと思います。
精神面に負担がかかる状態は、下記のような場面で起こります。
- 過度の仕事量やプレッシャー
- 上司や同僚との対立やコミュニケーションの困難
- 仕事とプライベートのバランスの取りにくさ
- ストレスや不安を引き起こす締め切りや責任の重圧
- 職務内容や環境の適合性の不満
- スキルや経験に対する自己不安感
- 長時間労働や過度の残業
- キャリアの不透明さや将来への不安
- 人間関係のトラブルやハラスメント
- ワークライフバランスの欠如
精神的に辛いというのは抽象的な表現なので、人によって辛いと感じる部分は違います。
ある人は課せられたノルマがきついと感じていたり、別の人にとっては人間関係が原因の場合もある為、自分にとって「何が精神的に辛いのか」を具体的に知る事で、結果的に精神的に楽な仕事を探す事ができます。
精神的に楽な仕事一覧
世間一般では、下記のような仕事が精神的に楽だと評価されています。
- トラックの運転手
- 工場の作業員
- ビルの管理員
- フィットネストレーナー
- 清掃業
- 農業
これらの職業の特徴は、人間関係が限られていたり、ルーティーンワークだったり、責任が少なかったりします。
ただし、ルティーンワークは、人によっては耐え難い苦痛となる場合もあり、別のストレスを産んでしまう事もありますし
人間関係で苦しんでいる人は、周りと連携していく事が辛いのか、それとも上司や部下との関係が辛いのか、お客様と1対1の関係が辛いのかで選択肢がかなり変わってしまいます。
給料が低い=精神的に楽な仕事という誤解
ホワイト企業で働く人は給与が高くストレスが少ないというケースもありますし、少ない給料で体を壊すまで働かされるブラック企業の問題もあります。
また、単純作業なら楽だと思うかもしれませんが、その単純さを辛いと感じるようになる事は多いです。
一定の感覚で何時間もただただケーキに苺を乗せていくだけ…楽しいと感じたのは最初の数分で、あとは苦行でした。
つまり精神的に辛いと感じてしまう仕事は、突き詰めると自分にあっていない職業と環境を選択した事が原因なのではないかと思います。
精神的に楽な仕事の見つけ方
精神的に楽な仕事は「職業」だけでなく「環境や、その会社での人間関係」にも大きく依存します。
その為、自分にとってどんな働き方がストレスなく自分の力を発揮できるのかを考える必要があります。
組織は「柔道団体戦型、サッカー型、駅伝型、野球型」に分けられると言われています。
ー参照:THE TEAM 5つの法則(麻野耕司著 幻冬舎)
例 | ルール | 環境の変化 | 人材の連携 | |
柔道団体戦型 | 生命保険の営業 | 少ない | 多い | 少ない |
サッカー型 | アプリ開発 | 普通 | 多い | 多い |
駅伝型 | 工場の生産チーム | 普通 | 少ない | 少ない |
野球型 | 飲食店スタッフ | 多い | 少ない | 多い |
このように、どういった職業で、どのような環境下で、かつ人材の連携はどの程度必要なのかを把握した上で仕事を選ぶ事ができれば、「あなたにとって精神的に楽な仕事」を選ぶ事ができるはずです。
既卒・第二新卒が仕事を選択する上での注意点
既卒・第二新卒はまだ社会人経験が少ない為、仕事の一部分だけを見て「自分にはこの仕事があっていない」と考えてしまう事があります。
ですが、自分のキャリアにおいて重要なのは、広い視野を持つことです。
短期的な困難や適応に焦点を当て過ぎてしまうと、全体を見渡せなくなってしまいます。
自己評価を正確に行うためには、客観的に自分を見つめることが大切です。
仕事選びは単なる職種や業界のマッチングだけでなく、価値観や周りとの調和も大切なので、精神的に楽な仕事を選択する為には総合的な視点を持つことが大切になります。
総合的な視点を持つ方法
既卒や第二新卒向けの就職サイトや転職エージェントは、キャリアカウンセリングに重きを置いている所が多いです。
求職者のキャリアを総合的に判断してくれるので、自分には無かった視点からアドバイスをしてくれます。
もちろん最終的な就職先は自分で決定する必要がありますが、自分の考えをまとめたり自己理解をする為に非常に役立つので、ぜひ利用してみる事をおすすめします。