職業:大学のキャリアセンターで新卒〜既卒・第二新卒の就職支援を担当(現役)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
備考:大学卒業後、新卒で銀行に就職したものの1年で退職し、その後5年間で5回の転職を経験。この経験から職業選択の重要性を痛感し、キャリアと心理に関する複数の資格を取得。大学のキャリアセンターに転職しこれまでに多くの求職者サポートに携わる。
※この記事は、キャリアコンサルタント(国家資格)を持ち、現役で就職支援に従事している専門家が解説しています。
高学歴の方は大手企業に就職する方が多い一方、就職活動がうまく行かず辛い思いをする人もいます。
両者の違いは一体どこにあるのか、就職支援に携わる筆者がわかりやすく解説していきます。
新卒採用において、学歴は評価されやすい
「高学歴」という言葉の定義は曖昧で、使う人によってどこまでが高学歴なのか判断が分かれる事が多いです。
上の図は、新卒採用時の企業と大学の比較です。
横にスライドさせると大体そのターゲット層にあたり、自分の大学より上の企業を目指す場合、その矢印の角度が上にいくほど努力しなければならない部分が大きくなります。
「学歴フィルター」という言葉がある通り、新卒採用において学歴はとても評価されます。
ちなみに、上記の図ではわかりにくいですが、このピラミッドを正確に表現すると、底辺(下部分)が非常に大きくなります。
経済産業省の発表では、日本の企業数は421万社存在し、そのうちの99.7%が中小企業となります。また大学の数は約800校あります。
学歴と職歴、どちらが重要視される?
新卒採用時に学歴が評価されるのは、学生にはまだ社会人経験が無い為です。
新卒者を測るものさしが少ない為で、学歴はその人を評価する共通の物差しとなる為、採用の場で重宝されます。
また、大企業においては高学歴である事が出世の条件の1つであるケースもあります。
学歴と職歴をどこまで評価するのかについては各企業によって違いますが、既卒や第二新卒であれば十分評価されるポイントとなります。
MARCHをはじめとした高学歴が就職活動で躓く理由
自己評価が高すぎる
高学歴の方は勉強や特定の分野の能力が高く、他の職種や業界に対する興味が限られていることがあったり、自身の能力や価値を非常に高く評価し、適切な条件やポジションにこだわり過ぎる傾向があります。
そのため、キャリアへの期待と要求が非常に高い水準になりがちです。
高い自己評価に伴い、求人に対して厳しい要件を持ったりすることが、仕事の決定を難しくしている事は多いです。
コミュニケーション能力の問題
高学歴の方は専門知識に優れている一方、
- 自己表現や説明が苦手
- チームでの協力や他者とのコミュニケーションが不足している
- 自己アピールやキャリア目標を効果的に伝えられない
といった問題を抱えている事があります。
ただしこういうケースは転職エージェントを利用する事で改善されます。
もし面接が苦手、もしくは応募書類で毎回落とされるという場合は、転職エージェントのサポートで大きく改善する可能性があります。
ブラック企業という思い込みがある
高学歴の方は「大手企業」「人気企業」など就職先企業にこだわりがある事が多いです。
その逆に「ブラック企業」に対する苦手意識も強いように見受けられます。
ブラック企業だけでなく、就職活動に係る言葉は曖昧なものが多いです。
他には、ホワイト企業、大手企業など…。これらは全て定義がありません。その為、使う人の感覚によって大きく変わります。
見つけた求人が「ブラック」だと感じるなら、それはどこの部分なのかを自分自身の中で明確にしましょう。
また、企業の口コミなどは基本的に悪い意見が書き込まれるので、その企業の全体的な評価がズレている事もあります。
就職先が決まらない既卒・第二新卒はどうする?
私自身、大学で働いていて感じるのですが…大学から学生向けに行う就職活動のガイダンスなどはあくまで全体に向けてのアナウンスなので、説明された就職活動の方法が向いていない人もいます。
例えば、新卒時に就職(転職)エージェントの利用を止められた人も多いのではないでしょうか。
これは、社会人経験のない学生はエージェントのいいように説得されやすい為、無理やり就職させられる事を防ぐという意図があります。
つまり良い人材を紹介すれば、その企業はリピーターになりますし、悪い人材を紹介すれば2度と使われません。
そんな信頼関係で成り立っているサービスなので、すぐ辞めるようなミスマッチ人材を意図的に紹介する事は考えにくいです。
最後に
既卒・第二新卒でMARCHなど高学歴の方は、基本的に就職・転職市場において評価が高いです。
「既卒」「第二新卒」という言葉を検索するとネガティブな意見が多く見られますが、クチコミなどはネガティブな意見を持っている人の方が書き込みやすいという傾向があります。
また、もし今現在就職活動をしているにも関わらず中々就職先が決まらないという事であれば、既卒または第二新卒向けの転職エージェントを利用してみて下さい。
一般向けの就職サイトや転職エージェントは、キャリア採用など経験を重視した求人が多いです。
ですので、既卒・第二新卒で就職活動するなら、それぞれに特化したサービスを使う事が大切です。
皆さんの就職・転職活動を心から応援しています!