名前:Kei 職業:大学のキャリアセンターで新卒〜若年者の就職支援を担当(現役) キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。 資格: 備考:大学卒業後、新卒で金融業界に就職するが1年で退職。その後さまざまな仕事を経験するも、自分に合わず5年間で5回の転職を経験。この経験から仕事の選択の重要性を痛感し、キャリアコンサルタント等の資格を取得して大学のキャリアセンターに転職。これまでに多くの求職者サポートに携わる。 |
第二新卒の方は社会人経験が短いため、「将来性」を評価する「ポテンシャル採用」が重要となります。
最近では、企業が第二新卒を積極的に求める傾向があり、大手企業への転職も可能です。ただし、ポテンシャル採用に注力する際には注意が必要です。
- ポテンシャル採用って正直よくわからない
- ポテンシャル採用で大手企業に採用される?
- ポテンシャル・新卒・キャリア・中途採用の違い
- ポテンシャル採用で気をつけるべき事
ポテンシャル採用とは
新卒採用との違い
「新卒採用」とは、一般的には、在学中に就職活動をして3月末に卒業し、4月から入社する学生を採用することを指します。
ですが「卒業後3年まで新卒扱い」という厚生労働省の青少年雇用機会確保指針が設けられている為、企業によっては卒業後3年以内であれば新卒として扱う所もあります。(ただし指針に強制力はありません)
新卒扱いというのは、あくまで「扱い」なので、卒業後は新卒採用の扱いに入れるかどうかというのは3年ルールを鑑みると微妙な所です。
ですが、そもそも新卒採用は社会人経験の無い人を対象にした採用なので、基本的に「ポテンシャル採用」である事が前提です。その為、わざわざ新卒採用で「ポテンシャル採用」という言葉を使用する事はあまりありません。
- 新卒採用…新卒が対象(在学中に就職活動を行う)
- ポテンシャル採用…卒業後に就職活動を行う20代の若手が対象(経験やスキルを問われない)
近年は少子化により労働人口が減少し、企業にとって労働力の確保が課題となっています。そのため、特に将来性のある若手人材を採用する傾向が強まっています。
新卒カードは使えない
ポテンシャル採用と同じように「新卒カード」について気になる人も多いようです。
実は「新卒カード」は正式な言葉ではありません。
新卒は経験やスキルを求められる事がなくポテンシャルを評価されます。新卒カードというのは、それが就職活動において有利だという事を表した一種のスラングです。
そしてこの新卒カードの「ポテンシャルを評価」という部分を「ポテンシャル採用」と混同してしまう人もいるようです。
ややこしいのですが…
新卒カードが使えるのは、学校在学中の就職活動期間のみです。
もし卒業後に就職活動をする場合は場合は「既卒」として扱われます。
※正社員歴があれば「第二新卒」扱いです。
キャリア採用・中途採用との違い
キャリア採用とは
キャリア採用とは、就業経験があり、その企業が求める経験を持つ人物を採用することです。
明確な定義はありませんが、だいたい3年以上の経験があればキャリア採用として応募できることが多いです。(3年以下だと「第二新卒」のカテゴリに入る事が多いです)
キャリア採用でキャリアアップする事を目的にするのであれば、5〜6年の経験が最適です。というのも、5〜6年のキャリアがあれば経験がしっかりあるとみなされ、また年齢も20代と若いので柔軟性があると評価されるからです。
中途採用とは
中途採用とは新卒や既卒・第二新卒以外の職務経験者採用を指します。
中途採用の対象はキャリア採用よりも大枠なので、分類としては中途採用の中にキャリア採用が含まれるという感じです。
キャリア採用をする企業の多くは、人員補充以外に、新しい知識やノウハウを導入するという目的もあります。
ただし大枠で使われる事も多いので、キャリア採用のことを「中途採用」と表記している求人も見かけます。
求職者のカテゴリ(一覧)
カテゴリ | 対象 | 採用側が主に求めているもの |
---|---|---|
新卒採用 | 新規学卒者 | ・コミュニケーション能力・ポテンシャル・素直さ・柔軟性 |
既卒採用 | 卒業後3年以内で正社員経験が無い | ・社会人としてのマナー・ポテンシャル・柔軟性・コミュニケーション能力 |
第二新卒採用 | 卒業後3年以内で正社員経験がある | ・社会人としてのマナー・業務経験・ポテンシャル・柔軟性・コミュニケーション能力 |
ポテンシャル採用 | 20代の若手 (既卒・第二新卒を含む場合あり) |
・社会人としてのマナー・ポテンシャル・成長意欲・行動力・コミュニケーション能力 |
キャリア採用 | 新卒以外 (3年以上の社会人経験があれば尚可) |
・業務経験・スキル・実績・専門性・リーダーシップ・コミュニケーション能力 |
中途採用 | 新卒以外全て | ・業務経験・スキル・実績・適応力・コミュニケーション能力 |
第二新卒はポテンシャル採用が狙い目
ポテンシャル採用に求められていること
(引用:若者の就職能力に関する実態調査 -厚生労働省)
ポテンシャル採用で大手企業は狙える?
大手企業でもポテンシャル採用は導入されており、ソフトウェア開発のサイボウズやインターネットのヤフー等も「ポテンシャル採用」をホームページなどで公開しています。
「ポテンシャル採用」求人の探し方
ただ…「ポテンシャル採用」というキーワードで探してもあまり求人は見つけられません。
というのも、「ポテンシャル採用」という言葉は求人をカテゴライズする際にメジャーな言葉ではないからです。
勿論「ポテンシャル採用」という名前で募集される事もありますが、併せて転職サイト・エージェントなどで「未経験歓迎」「第二新卒歓迎」といった言葉でも探してみましょう!
大手企業は非公開求人に多い
第二新卒で大手企業に就職を希望するのであれば、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
というのも大手企業は公開求人を出すと応募が殺到する為あえて非公開求人で出す事が多く、転職エージェントは求職者の適正を見た上で紹介する事が多い為です。
自分の経歴等を転職エージェントに伝えた上で求人紹介をされるので、「自分には無理だ」と思っていたような企業を紹介される事もあります。
ただし転職エージェントはそれぞれ特徴があります。
「大手企業に就職したい」という気持ちが強いのであれば、大手企業に強く非公開求人を多数所有している転職エージェントに登録する事を断然おすすめします。
非公開求人とは、一般的な転職サイト等には掲載されず、採用企業が特定の目的や条件を満たす人材を募集する際に、人材紹介会社を通じて非公開で募集を行う求人情報のことです。企業が採用にかかるコストや効率性を考慮し、公開求人と併せて使い分けられます。転職エージェントに登録すると情報提供や紹介を受けることができます。
大手企業に強い転職エージェントなどはこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にして下さいね!
学歴が重要な場合も
ちなみにポテンシャル採用で大手を狙う場合は学歴が必要な事があります。
勿論、選考に関係無い企業も多いのですが、特に老舗の大手企業の中には出身大学の派閥があったり、役職に就く際に必要だったりする所があります。
応募の際に不安な方は、その企業の過去の採用者の出身大学を見ると大体の感じがわかると思います。ただ、転職エージェントから紹介された求人であれば、そのハードルはクリアしているハズです。
採用者の出身大学については、新卒向けの採用サイト(リクナビやマイナビなど)で見る事ができます。
まとめ
第二新卒|ポテンシャル採用とは何?キャリア・新卒採用との違いは?と題して書いてきましたが、いかがでしたか?
ポテンシャル採用とは、経験やスキルなどの能力だけでなく将来的に高い成長や能力を発揮する可能性を持つ人材を採用する採用方法のことで、主に20〜30歳代の若手のを指します。
新卒採用でもポテンシャルを重視されますが、全員が未経験なのでわざわざ「ポテンシャル採用」という言葉は使いません。
またポテンシャル採用ではキャリアよりも将来性が重視される為、まだまだ若く社会人経験のある第二新卒にとっては未経験職種にもチャレンジしやすく有利な条件である事が多いです。
ただ「ポテンシャル採用」という言葉で探すよりは「未経験歓迎」「第二新卒歓迎」などで探す方が求人にヒットしやすいと思います。
また、大手企業への転職を考えている場合、特定の希望先が無いのであれば「大手企業に強く非公開求人が多い転職エージェント」を利用する事をおすすめします。
第二新卒におすすめの転職サイト・エージェントについてはこちらの記事にまとめています。