名前:Kei 職業:大学のキャリアセンターで新卒〜若年者の就職支援を担当(現役) キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。 資格: 備考:大学卒業後、新卒で金融業界に就職するが1年で退職。その後さまざまな仕事を経験するも、自分に合わず5年間で5回の転職を経験。この経験から仕事の選択の重要性を痛感し、キャリアコンサルタント等の資格を取得して大学のキャリアセンターに転職。これまでに多くの求職者サポートに携わる。 |
第二新卒とは一般的に「正社員経験があり卒業後3年以内の求職者」を指す言葉です。
厚生労働省が企業に対し「卒業後3年間は新卒扱い」と要請している事から、『第二新卒で就活すると、新卒採用者(新規学卒者)と同じタイミング(4月)で入社できるのかな?』と考えている方もいるようです。
結論から言うと、卒業から3年程度の方を新卒と併せて採用する企業はありますし、その場合は必然的に4月入社となる事が多いです。
ただし、そういった求人を探すにはコツが必要です。
新卒枠で4月入社は可能
新卒採用(新規学卒者)であれば3月に卒業して4月から働き始めるのが一般的ですが、第二新卒の場合は就職活動をするにあたり、特に決まった時期はありません。
ただし、傾向で言うと第二新卒の入社時期として多いのは4月と10月です。
求人は4月入社であれば1〜3月に増加し、10月入社の求人は7〜9月に増加します。
近年は第二新卒に対して企業の採用ニーズが高まっています。
人口減少に伴い人材不足に陥る企業が多い上、第二新卒は正社員経験がある為「ある程度ビジネススキルを持っている」と考える企業が多い為です。
下記は日本航空(JAL)客室乗務員の採用情報をリクナビ2024(新卒採用)で確認したものです。
応募資格には「2021年〜2023年卒」と記載されている事から、新卒採用と一緒に卒業後数年以内であっても応募できることがわかります。
ー引用:リクナビ2024 JAL 採用情報
4月採用のメリット
新卒採用者(新規学卒者)と共に4月採用となった場合、社会人としての経験が浅い新入社員が多いため会社側からのフォローが必然的に手厚くなります。
それにより、新入社員はじっくりと研修を受けることができます。
また、第二新卒は新卒採用者と違い「社会人経験」があるので、ビジネスマナーや仕事の進め方において優位に立てる事もあります。
「新卒枠」で誤解されがちなこと
「卒業後3年以内は新卒扱い」という要請はあくまで国から企業への「要請」の為、実際の採用においてどのような基準を定めるかは各企業に任されています。
また、正確に言うと年数も「3年程度」となっているので、企業によって何年までを新卒扱いにするかが異なっている場合もあります。
新卒枠求人の探し方
実は「新卒枠の求人を一括で探す」というのは難しいのです。
企業が人材を募集する際は、求人媒体だけでなく自社HPにも採用情報を掲載します。
(先ほど例に挙げた日本航空も、HPで採用情報を掲載しています)
希望する企業があれば企業ホームページの採用情報などを確認する事で、第二新卒を「新卒枠」で採用しているのか、それとも「経験者」という位置付けで募集しているのかがわかります。
もし特定の企業に対してではなく、転職サイトなどで一括で「新卒枠」を探そうと思うのであれば、言葉を変えて検索する方が良いです。
というのも就職ツールにおいて「新卒採用」と「それ以外」は分かれている事が多く、転職サイトで「新卒枠」「新卒扱い」などと検索してもヒットしないからです。
先ほどの日本航空の例で言うと、求人はリクナビ2024に掲載されていますが、そもそもリクナビ2024には学生しか登録できません。
つまり「新卒枠」で日本航空に応募しようとする第二新卒は、日本航空のホームページ(若しくは第二新卒向けの求人サイトなど)で情報を得る事になります。
新卒以外の転職サイトでは「新卒扱い」というカテゴリで求人を分ける事はほとんどありません。
その為、「新卒扱い」という言葉を別の言葉に変換する必要があるのです。
4月入社するための最適な転職スケジュール
転職にかかる期間は平均3ヶ月程度ですが、人によってその差は大きく異なります。1ヶ月程度で次の就職先を決める人もいれば、1年以上かける人もいるのです。
ここで一般的な転職の流れを解説すると…
転職活動をする際は転職サイトや転職エージェントへの登録から始まります。
転職エージェントを利用する場合は登録後に面談の場が設けられ、転職エージェントに自分の経歴や希望する求人条件などを細かく伝えます。
その後、転職エージェントが希望に沿った求人をいくつか紹介してくれるので、その中から自分の希望と合致するものを選び、選考を受けていきます。
内定が出ると、だいたい1週間程度で「内定を受けるか辞退するのか」を先方に伝える必要が出てきます。
新卒採用時のように複数を同時に受けるのではなく、「1社づつ選考を受けて、合否がでてから次に進む」という方も多いですが、その場合は必然的に就職活動期間が長くなります。
単に「4月入社」という時期だけに重点を置くのであれば、年明け頃から動く方が多いです。
ですが、「新卒枠で応募し、新規学卒者と共に4月に入社する」という事が目的であれば多くの場合、かなり前から動く必要があります。
再度先ほどの日本航空を例に出すと、2024年4月入社の求人では2023年4月がエントリーの締め切りとなっています。つまり、この求人に応募する場合は約1年前から就職活動をする必要があるという事ですね。
新卒採用は3月卒業・4月入社という流れが決まっているので、多くの人材を一括で募集する必要がある企業(つまり大手・人気企業)が実施する事が多いです。
新卒採用(新規学卒者)と一緒に既卒や第二新卒の人材を募集する企業の場合、募集時期は新卒採用に合わせる事も多いです。
その為、大手企業の一括採用(新卒と既卒・第二新卒)を希望する方は新卒採用のスケジュールを念頭に置いておく方が良いですね。
大手企業の場合、新卒採用は通常3月頃からエントリーが始まり6月に内定、翌年4月に入社という流れが多いです。
引用:新卒の就職スケジュール -マイナビ
転職サイトでは求人が大まかなカテゴリ分けにされていますが、広く一般の人向けのため、細かなニーズを完全に網羅することはできません。
その為、より個人にフィットした希望を探すのであれば転職エージェント一択です。
また大手企業や有名企業は就職を希望する人が多く、公開求人を出すと応募者が多くなり採用に時間と手間がかかる為、企業側にとっても大きな負担となります。その為、欠員が出た場合などに「非公開求人」として募集を出す事があります。
担当の転職エージェントに希望を伝えておけば、そのような求人が出た時に紹介してもらう事が可能です。
まとめ
第二新卒|新卒採用者と一緒に4月入社は可能?最適な転職スケジュールと題して書いていましたが、いかがでしたか?
第二新卒の方が新卒枠で就職することは可能ですが、全ての企業が新卒枠を設けているわけではありません。
新卒採用は一括で多くの人材を確保できるため、主に大手・人気企業が実施しています。また、「卒業後3年以内は新卒扱い」というのは国からの要請であり、法的な拘束力や罰則は存在しません。
つまり、第二新卒が新卒採用者と一緒に4月入社するのは可能ですが、それを確認するには企業ホームページの採用情報を確認するか、特定企業への希望が無いのであれば転職エージェントに相談することをおすすめします。(その際、あなたが新卒採用に何を求めているかも併せて伝えるとスムーズです。)
下記の記事では第二新卒におすすめの転職サイト・エージェントをまとめています。
何を利用すれば良いのか迷ったら、ぜひ参考にして下さい。