名前:Kei 職業:大学のキャリアセンターで新卒〜若年者の就職支援を担当(現役) キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種の他、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。 資格: 備考:大学卒業後、新卒で金融業界に就職するも1年で退職。その後さまざまな仕事を経験するも、自分に合わず5年間で5回の転職を経験。この経験から仕事の選択の重要性を痛感し、キャリアコンサルタント等の資格を取得して大学のキャリアセンターに転職。これまでに多くの求職者サポートに携わる。 |
日本では学校を3月に卒業し4月入社に入社するという流れが一般的ですが、中には留学や留年などで卒業が9月になる方もいますよね。
2018年に経団連が「就活ルール」の廃止を発表し、少しずつ通年採用をする企業も増えてきてはいますが、まだまだ新卒一括採用が主流です。
新卒一括採用が主流の日本では、そのルートから外れると途端に迷う事が多くなりますよね。
この記事では、それらの疑問や就活スケジュールについてわかりやすく説明していきますね。
9月卒業の就活は既卒?それとも新卒になる?
「既卒」というのは、一般的に学校を卒業して3年以内の正社員経験が無い人の事を指します。
対して、学生の間に就職活動をして採用されると「新卒採用」となります。
ですので、もし学生の間に就職活動をして9月に卒業を迎え、翌年の4月に入社となる場合は新卒採用となります。
半期留年の場合も新卒扱い?
留学ではなく、留年などネガティブな形で卒業が9月になる方もいるでしょう。
その場合も、在学中に就職活動を行えば新卒扱いでの採用となります。
ただし…面接などではほぼ確実に9月卒業になった理由を聞かれます。
留年などネガティブな理由が原因だった場合、採用担当者はマイナスに捉える事が多いです。
留年して9月卒業になった場合、内定は取り消されるの?
そもそも、企業が内定を出すという事は企業側と求職者で労働契約結ぶ事と同じようなものです。
ですので企業側は一旦内定を出すと、よほどの理由が無い限り内定取り消しはできません。
ではどんな場合に内定取り消しになるのかというと…
例えば、看護師の新卒採用で採用された場合、看護師の国家資格試験に落ちてしまえば内定取り消しとなる事が一般的です。
なぜなら、看護師として採用しているのに看護師の仕事ができないからです。
同じように、4月入社の予定で採用した人の卒業が9月まで延びた場合、内定を取り消される事がほとんどです。
大学を卒業しなければ働く事はできないので、内定を取り消すには十分な理由になります。
もし9月卒業となった場合は、まずは企業にお詫びの意を伝えることが大切です。その後、内定を維持してもらえる可能性があるか、条件があるかを確認する必要があります。例えば、卒業までの期間に何らかのアルバイトやインターンシップを行うことで、内定継続の条件を満たすことができる場合もあります。
留年した場合は内定取り消しとなる事が普通です。
ですが、ぜひその経験を次の就職活動に活かしていきましょう。
9月卒業の場合、入社はいつ?4月になるの?
『9月卒業になる場合、入社はいつになるの?』という質問をよく見かけます。
ですが、これは『自分がいつから働こうと思っているか』という考え方に変える必要があります。
例えば9月卒業で翌月の10月から働こうと考えている場合は、10月採用の求人を探す必要があります。
また、翌年4月から働きたいと考えているなら、翌年3月卒向けの新卒採用情報をチェックして下さい。
新卒と同じように、新卒向けの就職サイトや就職サイトを活用する事も可能です。
基本的に、新卒向けの就職サイトは働き始める年度で区切っている事が多いので、「自分がいつから働くのか」という事を基準に判断しましょう。
応募する際は自分が9月卒業である事を明記してくださいね。
また、新卒向けの大手就職サイトでは「3月卒業の学生」が一般的です。
4月入社を考えているのであれば、【既卒に特化した就職サイトや転職エージェント】を併用して使う事をお勧めします。
既卒向け就職サイトや転職エージェントは、「王道ではない」就職活動をしている求職者に強い傾向があります。
9月卒業の就活スケジュール
では、9月に卒業し、10月入社を考えている学生はどのような就活スケジュールになるのでしょうか?
その前にまず、3月に大学を卒業する方の一般的な就活の流れを見てみましょう。
下記は2024年3月卒業・4月入社の就職活動の流れです。
ー画像引用:マイナビ
2024年3月に卒業予定の方の場合、2022年6月頃から自己分析や企業研究をしたり、夏期休暇を利用してインターンシップに参加する方も多いです。
(※2024年卒の就活・採用ルールは、政府の主導によりこれまで通りのスケジュールが維持されます)
2023年3月に企業エントリー開始となり、6月に内々定、10月に内定という流れですね。
では、9月卒業の方の就活はどんな流れになるのでしょうか。
実は、9月卒業の方は人数が少なく、またその理由も様々な為、4月卒業のようなモデルスケジュールがある訳ではありません。
ただし、インターンシップなどは大学の夏期休暇中に行っているところが多いです。
『自分は9月卒業で、他より半年の余裕があるから大丈夫』と考えるのではなく、気になる企業のインターンシップにはぜひ参加し、自己分析や企業分析なども同学年の方と同じように準備しておいた方が良いでしょう。
また3月卒業の方は、大手就職サイトに登録する事が多いかと思いますが、新卒向けのナビサイトは基本的に3月卒業者を対象としています。
そのため扱っている求人情報も基本的には3月卒業者が対象です。
大手新卒向け就職サイトは求人数も多く、自己分析ツールも良質な物が無料で準備されているのですが、9月卒業者がそれだけで就職活動を進めていくのは少し難しいです。
9月卒業の就活はやっぱり不利?
9月卒業の就活は、一般的には3月卒業の就活に比べて不利だと言われています。
その理由としては、以下のような点が挙げられます。
まず、大手企業を中心に、9月卒業の学生に対する採用枠が限られていることが挙げられます。多くの企業が、3月卒業の学生を中心に新卒採用を行っており、9月卒業の学生に対しては、その後に補充募集を行う場合が多いためです。
3月卒業の学生は、ある程度就職活動のモデルスケジュールがあり、学校側からも都度アナウンスがある事が多いです。
ですが、9月卒業の学生は自分で考えて動かなければなりません。周りと同じように動いていると、いつの間にか自分だけ取り残されていた…なんて事になりかねません。
このような理由から、9月卒業の学生の就活は、一般的には3月卒業の学生に比べて不利な傾向があります。
また上述した通り、大手新卒サイトは基本的には3月卒業者向けになっています。
周りと同じように就職活動をしていても、9月卒業者対象の求人が見つからない可能性もあります。
ですので、9月卒業者は9月卒業や既卒に特化した就職サイトや就職サイトを使う事を強くお勧めします。
まとめ
9月卒業は既卒?新卒?就活スケジュールをわかりやすく解説と題して書いてきましたが、いかがでしたか?
「新卒採用」か「既卒採用」かは、就職活動を「卒業してからする」のか「在学中にする」かという点で判断します。
9月卒業の学生は就職活動において、3月卒業の学生とは異なるスケジュールになります。ですが、自己分析や企業研究などは時間がかかります。
自分は半年余裕があるから…と考えず、早くから準備しておくことをお勧めします。
また、新卒向けの大手就職サイトには3月卒業者が対象の求人情報が多いため、9月卒業者はそれだけでは就職活動を進めることが難しい事が多いです。
9月卒業の就活は、3月卒業に比べて大手企業の採用枠が限られるなど不利な傾向があります。その為、9月卒業者は既卒に特化した就職サイトや転職エージェントを利用することが内定への近道です!