高校生でやりたいことがないときの進路の決め方|何から考えればいい?
「将来やりたいことがない」「どんな仕事に就きたいのか分からない」と悩んでいませんか?
高校生の時点で、将来の夢や就きたい仕事が決まっていないのは珍しいことではありません。ただ、「大学に入ってから考えればいい」と何も考えずに過ごしていると、大学生になってもやりたいことが見つからず、就職活動の時期になって悩むこともあります。
私は大学で、主に4年生を中心とした就職支援に携わっていますが、大学4年生になっても「何をしたいのか分からない」「自分に向いている仕事が分からない」と悩む学生は少なくありません。
だからこそ、高校生のうちから「やりたい仕事を決める」のではなく、興味のあることや得意・不得意、世の中にどのような仕事があるのかを知り、進路を考えるための材料を増やしておくことが大切です。
この記事では、高校生でやりたいことがないときに、何から考えればよいのかを具体的に紹介します。
高校生でやりたいことがないのは珍しくない
高校生になると、学校の先生や家族から「将来何になりたい?」「大学では何を勉強したい?」と聞かれる機会が増えてきます。しかし、まだ具体的な夢や目標が決まっていない高校生も少なくありません。
「特にやりたいことがない」「興味のある仕事が分からない」「大学に行きたいけれど、何を学びたいのか分からない」という状態でも、それだけで問題があるわけではありません。
高校生の段階で、将来の仕事を一つに決めておく必要もありません。
ただし、やりたいことが決まっていないからといって、進路について何も考えないままにしておくのは注意が必要です。
やりたいことが分からない場合は、まず「どんな仕事があるのか」「自分は何に興味を持てそうなのか」を知るところから始めてみましょう。
将来の夢が決まっていなくても、早めに進路を考えることが大切
「高校生のうちは、やりたいことが分からなくても大丈夫。大学に入ってから考えればいい」と考える人もいるでしょう。
しかし、それでは少し遅いかもしれません。
私は大学で、主に4年生を中心とした就職支援に携わっており、これまで多くの大学生の就職相談をしてきましたが、4年生になっても「自分が何をしたいのか分からない」「どんな仕事が向いているのか分からない」と悩んでいる学生は少なくありません。
もちろん、大学に入ってから、授業やサークル、アルバイト、インターンシップなどさまざまな経験を通して、自分の興味や将来の方向性を見つける学生もいます。
一方で、「とりあえず大学に進学して、やりたいことは大学に入ってから考えよう」と考えていたものの、結局、4年生になってもやりたいことが見つからないまま就職活動を迎える学生もいます。
こうした学生を実際に見てきた経験から、私は高校生の段階から少しずつ進路について考えておくことが大切だと考えています。
もちろん、高校生のうちに将来の仕事を一つに決める必要はありません。
大切なのは、「やりたいことを決める」ことではなく、「将来について考えるための材料を増やしておく」ことです。
「やりたいこと」ではなく「興味があること」から探してみる
「将来やりたいことがない」と悩んでいる場合、最初から「やりたい仕事」を決めようとすると、かえって難しく感じることがあります。
そこで、まずは「少し興味がある」「なんとなく気になる」というところから探してみましょう。
例えば、テレビや動画で見た仕事、学校の授業で面白いと感じた分野、普段の生活で気になったことなどでも構いません。
「やってみたい」と思えるほどではなくても、興味を持てるものを見つけることが、進路を考えるきっかけになります。
好きなこと・得意なこと・気になることを書き出す
興味のあることを探すときは、頭の中だけで考えず、紙やスマートフォンに書き出してみましょう。
例えば、
- 好きなこと
- 得意なこと
- 人から褒められたこと
- 学校の授業で興味を持ったこと
- なんとなく気になる仕事
など、思いつくものを自由に挙げてみます。
自分ではなかなか思いつかない場合は、AIに「これまでの自分との全ての会話から、自分の好きなことや得意なことから向いていそうな仕事を考えて」と質問してみる方法もあります。
AIとのやり取りを通して、自分では気づかなかった興味や得意なことが見つかることもあります。ただし、AIが提案した仕事をそのまま進路にするのではなく、自分の進路を考えるためのヒントとして活用することが大切です。
自分に合う仕事を考えるために業界や職種を知る
やりたいことが決まっていない場合は、まず世の中にどのような業界や仕事があるのかを知ることから始めてみましょう。
例えば、食品、金融、IT、医療、福祉、教育、建設など、さまざまな業界があります。
そして、一つの業界の中にも、営業、事務、販売、企画、技術など、さまざまな職種があります。
業界と職種の両方を知ることで、自分が興味を持てる仕事や、自分に合いそうな仕事を探しやすくなります
なお、「業界」と「職種」は別のものです。
業界は「どのような分野の会社で働くか」、職種は「その会社でどのような仕事をするか」を指します。たとえば、IT業界で働く場合でも、エンジニア、営業、事務など、さまざまな職種があります。進路を考えるときは、最終的に自分がどのような仕事をするのか、つまり職種まで考えておくことが大切です。
知っている仕事だけで将来の進路を決めない
高校生の段階では、普段の生活で関わる業界や、身近な大人が就いている仕事など、知っている仕事が限られていることがあります。
しかし、世の中には、普段の生活ではあまり目にしない業界や職種もたくさんあります。
知っている仕事だけを基準に進路を決めてしまうと、本当は自分に合っている仕事を知らないまま選択肢を狭めてしまう可能性があります。
まずは幅広い業界や職種を知り、「こんな仕事もあるんだ」と選択肢を広げてみましょう。
得意・不得意の凹凸が激しい場合は「苦手を避ける」から考える
「好きなこと」や「得意なこと」から仕事を探す方法もありますが、得意・不得意の差が大きい場合は、「何ができるか」だけでなく「何が苦手なのか」から考えることも大切です。
例えば、人と話すことが大きな負担になる場合は、対人業務が少ない職種を調べるなど、苦手なことを避けられる環境から仕事を考える方法があります。
仕事選びでは、得意なことを活かすだけでなく、無理なく続けられる仕事や環境を考えることも重要です。
もし、得意・不得意の凹凸が大きく、ASDやADHDの傾向がある場合は、以下の記事も参考にしてください。
高校生向けの適職診断を活用してみる
「やりたいことがない」「どんな仕事が自分に合うのか分からない」という場合は、適職診断を活用してみましょう。
高校生の場合は、仕事だけでなく、その仕事に就くための進路まで考えられる適職診断を選ぶことが大切ですが、一般的な適職診断は、すでに就職を考えている大学生や社会人向けのものがほとんどです。
高校生向けの適職診断としておすすめなのは、スタディサプリ進路の適職診断です。
適職診断で自分に合う仕事の候補を知る
スタディサプリ進路の適職診断では、いくつかの質問に答えることで、自分に向いている可能性のある仕事が提示されます。
さらに、その仕事を目指せる大学・専門学校なども確認できるため、「どんな仕事が自分に合うか」だけでなく、「その仕事に就くにはどんな進路が必要か」まで考えることができます。
ここで大切なのは、診断結果を「自分の将来の仕事」と決めつけないことです。
結果に出てきた仕事の中から、「少し気になる」「詳しく知りたい」と思うものを見つけて、次に仕事内容や必要な進路を調べてみましょう。
気になった職業の仕事内容を調べて必要な進路を考える
適職診断で気になる職業が見つかったら、診断結果だけで判断せず、その仕事について詳しく調べてみましょう。
まず確認したいのは、「実際にどのような仕事をするのか」です。
例えば「人と関わる仕事がしたい」と思っていても、営業、販売、教師、看護師などでは、仕事内容も必要な資格も大きく異なります。
仕事内容を調べたうえで、「この仕事をやってみたい」「この仕事なら自分にもできそう」と思える職業が見つかったら、次にその仕事に就くためにはどのような進路が必要なのかを調べます。
大学・専門学校のどちらに進むのか、どのような学部・学科で学ぶのか、資格が必要なのかなどを確認しましょう。
「興味のある仕事」から逆算して進路を考えることで、進学先を選ぶときの基準ができます。
やりたいことが決まらなくても進路の候補を絞ることはできる
ここまで調べても、「将来はこの仕事に就きたい」と一つに決められないことも多いです。
しかし、進路を考える段階では、必ずしも職業を一つに決める必要はありません。
例えば、「人と関わる仕事に興味がある」「資格を取れる仕事がいい」「ものづくりに関わりたい」など、興味のある方向性が分かるだけでも、進路の候補を絞ることができます。
「営業と販売のどちらがいいか分からない」という場合でも、どちらの職種にもつながる学びを選ぶなど、複数の選択肢を残した進路を考えることもできます。
大切なのは、何も考えずに進学先を決めるのではなく、調べた情報をもとに「自分は何を学びたいのか」「どんな仕事につながる進路なのか」を考えておくことです。
高校生のうちに「絶対にこの仕事」と決められなくても、興味のある仕事や避けたい仕事、学びたい分野が分かれば、進路の候補は少しずつ絞っていけます。

