職業:大学のキャリアセンターで新卒〜既卒・第二新卒の就職支援を担当(現役)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
備考:大学卒業後、新卒で銀行に就職したものの1年で退職し、その後5年間で5回の転職(派遣・アルバイト・正社員含む)を経験。この経験から職業選択の重要性を痛感し、キャリアと心理に関する複数の資格を取得。大学のキャリアセンターに転職しこれまでに多くの求職者サポートに携わる。
失業保険(失業手当)を受けながら働くことは可能ですが、その際には働く時間の縛りやルールがあります。
また、ルールを破ってしまうと最悪の場合「不正受給」と判断される可能性もあります。
失業保険をもらいながら安心して働く際の条件と注意点について詳しく説明します。
失業保険について
失業保険とは、退職した人が次の仕事を探すまでの間、収入面で困らない為の支援として支給されます。
失業保険の受給期間は、退職日した翌日から原則1年間となっており、この期間内で各自の年齢や被保険者期間から算出された「給付日数」分を受け取る事ができます。
ー引用①:ハローワーク 基本手当の所定給付日数
また、失業時に失業手当を受け取るには、前職で所定の期間「失業保険に加入している」事と「失業手当受給の条件」を満たしている必要があります。
<失業保険の加入条件>
- 31日間以上の雇用契約
- 週20時間以上の労働時間
- 学生でないこと
※上記を満たしていれば事業主は従業員を雇用保険に加入させる義務があります。
<失業手当の受給条件>
- 雇用保険(失業保険)に加入して保険料を払っている
- 離職の日以前2年間に12カ月以上の雇用保険の被保険者期間がある
※特定受給資格者等の場合は離職の日以前1年間に6カ月以上 - 就労の意志と能力があり求職活動を行っている
働きながら失業手当を受給する為のルール
ハローワークに離職票を提出し、7日間の待機期間と給付制限期間(自己都合退職の場合)を経ると、失業手当の給付がスタートします。
ただし待機期間中に働いてしまうと、働いた日数分待機期間が後ろにズレます。
また、失業手当受給中にアルバイトをすると、勤務時間や金額によっては支給が後回しになったり減額される場合があるので注意しましょう。
期間別の注意点
失業手当を受給するには待機期間や給付制限期間など「期間別」に条件が変わります。
失業手当を受けるにあたり、各期間での条件と注意点は以下の通りです。
※待機期間・給付制限期間はそもそも失業手当の給付はありません(給付されるのは受給期間のみ)
- 待機期間(7日間)…いかなる仕事も不可(働いた場合、その日数分期間が延びる)
- 給付制限期間…週20時間未満なら可能。ただし必ずハローワークに申告する
- 受給期間…週20時間未満なら可能。必ずハローワークに申告する。勤務時間が4時間未満なら給付日数が消化され、上限金額以上は支給されない(4時間以上なら繰り越し)
週の労働時間が20時間以上の場合
失業手当を受給しながら働くには、下記の条件を満たす必要があります。
- 所定労働時間が週当たり20時間未満
- 雇用契約期間が31日未満
1日の労働時間が4時間以上の場合
失業手当の給付期間中に1日4時間以上働いた場合、その分の失業給付はありません。
ただしこれは単に「給付日数が繰り越される」だけで、受給総額に変わりはありません。
1日の労働時間が4時間未満の場合
1日に4時間未満の勤務を行なった場合、給付日数が消化されます。
また、支給額についても全額が支給される訳ではありません。
失業保険の基本手当日額は、退職前6カ月間の平均賃金を基に算出されます。
賃金日額の8割以上の収入を得ると、その日の失業保険は支給されません。(失業手当が全額支給されるのは、働いて得た収入と基本手当日額の合計が、賃金日額の8割を超えない場合のみ)
週20時間と1日4時間以上の違い
失業保険を受け取りながら働く上で、週20時間以上の場合と1日4時間働く点での違いについてまとめると以下のようになります。
- 週20時間以上働く…雇用保険の加入条件に当たる(🟰失業手当受給の対象外になる)可能性がある
- 1日4時間以上働く…失業手当の給付日数が働いた日数分、繰越になる
- 1日4時間未満で働く…失業手当の給付日数を消化し、基本手当日額の支給が8割を超えた分は支給されない
ちなみに、筆者は前職を退職後もしばらく(週1〜3回、3時間程度)、引き継ぎ等もあり「アルバイト」という形で前職に残って仕事をしていた為…
失業手当の受け取り方としてはかなり勿体なかったと思います^^;
(お世話になった会社だから、まぁ良いんですが…笑)
ハローワークへの申告は必ず行う
失業保険の申請後に働く場合、収入の有無に関わらず、必ずハローワークへ申告しましょう。
もし申請を行わずに働いてしまうと、収入に関係なく「不正受給」と捉えられる可能性があるので気をつけて下さい。
申請の方法
申告は「失業認定申告書」にて行います。
一番上の項目「1.失業の認定を受けようとする期間中に、就職、就労又は内職・手伝いをしましたか。」の「ア.した」にマルをつけ、右のカレンダーの日付に「◯」か「×」をつけます。
- 「〇」…1日4時間以上
- 「×」…1日4時間未満
(働いていない場合は記入なし)
まとめ
失業保険を受給しながら働く場合、週20時間以上と1日4時間以上働く場合の違いについて、制度や注意点と共に解説してきましたが
これまでの内容をまとめるとこのようになります。
- 失業保険を受給しながら働く事は可能
- ただし、週に20時間以上働く場合は雇用保険の加入対象になる可能性がある。
- 雇用保険に加入した場合、失業中とは認められず、失業手当を打ち切られる可能性がある
- 1日4時間未満で働いた場合、給付日数が消化され、賃金日額の8割を超えた分は支給されない
- 1日4時間以上働いた場合、その給付日数は消化されず繰越となる。(ただし給付を受けられるのは退職翌日から1年間で、これを越えると受給できない)
また、失業手当の受給には、各認定日に「求職活動実績」を提出する必要があります。
筆者はこれまでに、ハローワークでの窓口相談や対面イベントへの参加など、さまざまな求職活動を経験しましたが
最も手軽に利用できたのは、転職エージェントが提供するオンラインセミナーであり、その中でも特に利用のハードルが低いと感じたのは、リクルートエージェントでした。
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ー引用①ハローワークインターネットサービス
www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html