退職後「失業保険はいつからもらえるの?」「手続きが複雑そう…」と不安を感じていませんか?2025年4月から雇用保険の制度が大きく変わり、自己都合退職者の給付制限が2カ月→1カ月に短縮されるなど、求職者にとって有利な改正が行われます。
本記事では、2025年4月からの雇用保険の改正内容や変更点、具体的な手続きの流れについて詳しく解説します。改正をしっかり理解し、スムーズに失業保険を受け取るための準備を進めましょう!
失業保険を受給するために必要な「求職活動実績」を1番簡単に作る方法は、以下の記事で解説しています。

2025年4月からの雇用保険の改正で、何が変わるの?
雇用保険が適用されるのは正社員だけではありません。雇用形態は関係なく、アルバイトやパートでも週20時間以上、31日以上の勤務が見込まれる場合は適用されます。(2028 年10月から10時間以上に改正予定)
雇用保険の保険料は非常に安く設定されています(労働者負担 5.5/1000 事業主負担 9/1000)。失業保険の保険料は、給与が20万円の人なら毎月約1,100円です。支払う額に対して受け取れる給付が多いため、お得な保険と言えます。
雇用保険の失業給付には、①求職者給付 ②就職促進給付 ③教育訓練給付 ④雇用継続給付の4種類があります。育児休業給付は失業給付には含まれませんが、雇用保険から支給されます。
2025年4月から改正される雇用保険の変更箇所については、以下のとおりです。
【失業保険】の改正点について
今回の改正で最も大きな変更点は、失業保険の給付制限期間の短縮です。これまで、自己都合退職の場合は2ヶ月間の給付制限がありましたが、改正後は1ヶ月に短縮されます。
5年以内に自己都合退職が3回以上ある場合、失業給付の給付制限期間は3ヶ月になります。これは、転職を繰り返しすぎることを防ぐためです。
2025年4月以降の給付までの流れは、以下のとおりです。
- 退職後にハローワークで求職の申し込み
- 7日間の待機期間
- 1ヶ月の給付制限期間
- 認定日にハローワークに行き、失業認定をしてもらう
- 失業保険(基本手当)が振り込まれる
失業の認定がされると、失業保険(基本手当)は通常1週間以内に振り込まれます。ただし、認定されたからといって自動的に給付が始まるわけではなく、求職活動実績を報告する必要があります。
求職活動実績とは、失業保険を受給するために、ハローワークへ「積極的に仕事を探している証拠」を示すことです。具体的には、求人への応募やハローワークのセミナー参加、職業相談、資格取得のための講習受講などが該当しますが、最も簡単な方法についてはコチラの記事で詳しく解説しています。

ちなみに特定理由離職者(病気など)※1に該当する人や、公共職業訓練を受ける人は、もともと給付制限がないため、7日間の待機期間が終了すればすぐに失業保険を受け取れます。
※1 厚生労働省ハローワーク
【就職促進給付】の廃止について
2025年4月の雇用保険改正により、「就職促進給付」の一部である「就業手当」が廃止されました。就業手当とは、失業保険を受給中の人が短期間の仕事に就いた場合に支給される手当のことです。これまで「再就職手当」の方が給付率が高く、就業手当の利用者は限られていたため、今回の改正で廃止されることになりました。
一方で、「再就職手当」は引き続き支給されるため、早期に正社員や長期雇用の仕事に就く場合は、制度を活用できます。再就職手当は、所定の基本手当日数の3分の1以上残して就職で60%、3分の2以上残して就職で70%支給され、最大70%の給付を受けられます。
今回の改正は、失業者が安定した職に早く就くことを促す目的があるため、短期の就業よりも長期的な雇用を優先する流れになっています。短期の仕事を検討していた人は、今後の制度変更を考慮し、より安定した就職を目指すことをおすすめします。
【育児休業給付】の変更点について
2025年4月の雇用保険改正により、育児休業給付の給付率が引き上げられます。これまで、育児休業中の給付率は休業開始から67%(6カ月間)→ その後50%でしたが、改正後は一律で給与の100%(全額)となり、育児休業中の収入減少を心配せずに、安心して育児に専念できるようになりました。
育児休業給付は、雇用保険の制度の一部ですが、失業給付とは異なり、育児のために仕事を一時的に休む労働者が対象です。給付を受けるには、育休開始前の2年間で11日以上働いた月が12カ月以上あることが条件となります。
今回の改正は、少子化対策や育児と仕事の両立支援を目的としており、特に共働き世帯や1人親世帯にとって大きなメリットとなります。これまで収入減を理由に育休を取得しづらかった人も、取得しやすくなりました。
【教育訓練給付金】の拡充について
2025年4月の雇用保険改正についての注意点
今回の改正は2025年4月から適用されます。そのため、2025年3月31日までに退職すると旧制度が適用され、新しい給付条件を利用できません。新制度を適用したい場合は、4月1日以降の退職が必要なので注意してください。
2028年10月の雇用保険改正について
2028年10月から、雇用保険の適用範囲が拡大され、週10時間以上、かつ31日以上の雇用見込みがある労働者も対象になります。(学生は除く)
この改正は、多様な働き方の増加に対応し、社会保障を充実させることを目的としています。現在の基準では、パートや副業をする人、シニア層などが対象外になりやすいため、短時間労働者にも失業保険や育児休業給付を提供し、雇用の安定と働き方の選択肢を広げることを目指しています。
変更により、これまで加入できなかった人も雇用保険のメリットを受けられるようになりました。ただし、適用範囲の拡大に伴い、労働者・事業主の保険料負担が増える可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
2025年4月の雇用保険改正は、求職者や労働者にとって多くのメリットがあります。自己都合退職者の給付制限期間が2カ月から1カ月に短縮され、失業手当をより早く受け取れるようになりました。
教育訓練給付金の拡充により、対象講座を受講すれば給付制限なしで失業保険を受給できるため、再就職に向けたスキルアップがしやすくなっています。さらに、育児休業給付の給付率が100%に引き上げられたことで、育児と仕事の両立を支援する環境も強化されました。
一方で、「就業手当」の廃止など、短期就業を支援する制度が減少する側面もあります。これは長期的な雇用を促す方向にシフトしているためです。そのため、再就職手当を活用し、早期の安定した就職を目指すことが重要です。
また、2028年10月には雇用保険の適用範囲が「週20時間以上」から「週10時間以上」に拡大されます。より多くの労働者が対象となるため、パートや副業をしている人、シニア層も雇用保険の保障を受けられるようになります。
職業:大学のキャリアセンターで新卒〜既卒・第二新卒の就職支援を担当(現職)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
経歴:大学を卒業後、5年間で5回の転職(派遣・アルバイト・正社員含む)を繰り返した経験から、職業選択の重要性を痛感。現在は大学のキャリアセンターで働き、多くの求職者支援に携わる。