履歴書や職務経歴書の嘘はなぜバレる?採用担当者が経歴詐称を見抜くポイント
就職活動を進める中で自身の経歴に引け目を感じ、書類選考や面接の対策に頭を悩ませていませんか?
この記事では、書類に事実と異なる内容を記載した場合、採用担当者に「どのタイミングで」「どのようにして」バレるのか、具体的な経路や理由を詳しく解説します。
記事を最後まで読むことで、経歴のどんな部分が確認され、どんなきっかけで嘘が発覚するのかが明確にわかります。「どこでバレるのか知りたい」「本当にバレるの?」という疑問をすっきり解消し、リスクを正しく理解して、安心して選考に臨めるように準備しましょう。
履歴書や職務経歴書に嘘を書くとどうなるのか
経歴詐称とは、嘘と知りながら自分を良く見せる為に職歴や経歴などを偽ることです。
単なる記載ミスや体験談を強調する程度であれば、詐称と判断されない場合がほとんどです。
一方、企業は採用後の履歴書を、法律に基づいて一定期間保管します。企業には採用した人の雇用が終了した日から3年間、書類を管理する義務があります。求職者が出来心で嘘を書いたまま内定を得た場合、入社後は「嘘がバレないか」という不安を抱え続けることになります。
ー労働基準法109条143条 同施行規則第56条
経歴詐称の種類とバレる理由
履歴書や職務経歴書における詐称には、複数の種類が存在します。経歴や学歴などは確認の過程で意外と簡単に発覚することが多く、後から信用を失うリスクもあります。よくある経歴詐称のパターンと、どのような理由でバレてしまうのかを、以下の各項目で具体的に見ていきましょう。
- 【雇用形態】アルバイト経験を正社員として詐称した場合
- 【職歴】在籍期間や勤務先を詐称した場合
- 【学歴】卒業・中退・在籍を詐称した場合
- 【勤続年数】実際より長く(または短く)働いていると詐称した場合
- 【副業】会社に内緒でアルバイトをした場合
- 【その他】思わぬきっかけで経歴詐称がバレる場合
【雇用形態】アルバイト経験を正社員として詐称した場合
就職や転職の場面では、アルバイトの経験を正社員として申告したくなることがあります。
特に、転職歴が多かったり経歴が複数あると「少しでも良く見せたい」と思ってしまう場合もあるでしょう。
企業は入社手続きの際に源泉徴収票を確認します。
源泉徴収票には前年の収入額が記載されており、基本給や手当だけでなく、ボーナス(賞与)も含まれています。そのため、正社員とアルバイトでは金額に大きな差が出やすく、不自然さが目立ってしまいます。
【職歴】在籍期間や勤務先を詐称した場合
働いたことのない会社を職歴に加えたり、転職回数を少なく見せるために一部の経歴を省いたりする行為も、経歴詐称にあたります。
確認の際によく使われるのは、源泉徴収票・雇用保険被保険者証・年金の記録などです。
源泉徴収票には勤務先名が記載され、雇用保険の書類にも直近の会社情報が残っています。
年金関連の書類には、過去の勤務先が一覧で記載されている場合があります。
(日本年金機構に依頼すれば、勤務先の記載がない新しい年金手帳に切り替えてもらうことも可能かもしれませんが、経歴を偽る行為そのものが大きなリスクになる点は変わりません)
職歴を偽うよりも、正直に伝えたほうが結果的に安全です。
【学歴】卒業・中退・在籍を詐称した場合
就職活動の際に、卒業証明書や成績証明書の提出を求められるケースが多くあります。
在籍していない学校の証明書は提出できないため、その時点で学歴の虚偽が明らかになります。
また、仮に書類選考や面接を通過して採用されたとしても、職場で出身校の話題が出る機会は少なくありません。同じ学校の卒業生がいた場合や、学部・専攻に関する会話の中で矛盾が生じれば、経歴詐称が発覚する可能性が高いです。
学歴を偽ることは信頼を失う大きなリスクにつながるため、正直に伝えることが何よりも大切です。
【勤続年数】実際より長く(または短く)働いていると詐称した場合
源泉徴収票には、給与額だけでなく入社日や退職日も記載されています。そのため勤続年数を実際より長く書いたり、短く見せたりすると、数字の不一致がすぐに判明してしまいます。
また、雇用保険や社会保険の加入期間などからも、在職期間は確認できます。これらの情報は企業側が入社手続きで照合することが多く、意図的なごまかしは簡単に見抜かれてしまうのです。
【副業】会社に内緒でアルバイトをした場合
副業として、会社に内緒でアルバイトをしようと考える人も少なくありません。しかし実際のところ、副業は思ったよりも高い確率で発覚します(一部の例外を除く)。
会社員の場合、毎月の給与から住民税が天引きされています。この住民税は、前年の総収入をもとに計算されており、副業で得た収入もその合計に含まれます。
その結果、会社が把握している給与額に対して住民税が不自然に高くなり「支払っている給料より住民税が多い…もしかして副業をしているのでは?」と気づかれるケースがあるのです。
個人事業やフリーランスとして収入を得ている場合は、確定申告の際に「普通徴収」を選択することで、住民税の納付を自分で行うことができ、会社に副業の有無が知られる可能性を大幅に減らせます。
とはいえ、会社の規定に反して副業を行うことにはリスクもあります。副業を検討する際は、まず就業規則を確認し、必要に応じて上司や人事に相談する方が安心です。
【その他】思わぬきっかけで経歴詐称がバレる場合
経歴詐称が発覚するのは、提出書類の内容だけが原因ではありません。実は、以下のような理由から判明するケースもあります。
- SNS等の投稿
- リファレンスチェック・前職調査
SNS等の投稿
フェイスブックやX(旧ツイッター)、インスタグラムなど、今では多くの人がSNSを利用しています。
採用担当者は、面接だけでは応募者の人柄や価値観を深く理解するのは難しいため、SNS上の投稿やプロフィールを通して、その人の普段の考え方や行動の傾向を確認することがあります。
その際、SNSの内容と履歴書・職務経歴書、または面接で話した内容に違いがあると、「話が食い違っている」と疑われる可能性があります。
たとえば、履歴書では「前職を3年間勤務」と記載していても、SNSの過去の投稿で「1年前に転職した」といった内容が見つかれば、整合性のズレから経歴詐称を疑われる場合があります。
SNSは気軽に投稿できる反面、過去の情報が残りやすく、思わぬ形で採用担当者の目に触れるケースがあります。投稿内容やプロフィールには注意し、公開範囲や過去の発言の見直しをしておくことが大切です。
リファレンスチェック・前職調査
リファレンスチェックとは、求職者が履歴書や職務経歴書に記載した内容が事実かどうかを、前職の上司や同僚などに確認する仕組みです。海外では採用プロセスの一環として一般的に行われていますが、日本ではまだ導入している企業は多くありません。ただし、外資系企業や人材紹介会社を通じた採用では、実施されるケースが少しずつ増えています。
リファレンスチェックを行う際は、求職者本人の同意を得た上で実施されます。確認内容は、勤務態度やチームでの協調性、仕事に対する姿勢など、人柄や働き方に関する評価が中心です。
一方で、「前職調査」と呼ばれる似た仕組みもあります。これは、企業の人事担当者や調査会社が前職に直接問い合わせを行い、勤務期間・役職・退職理由などを確認するものです。
ただし、個人情報保護法の観点から、本人の同意なしに行うことは問題となるため、現在では実施する企業は少なくなっています。
リファレンスチェックと前職調査の違いは、目的と内容にあります。リファレンスチェックは人柄や働き方などを確認する「人物評価」、前職調査は経歴や勤務実績に虚偽がないかを確認する「事実確認」が中心です。
いずれの場合も、過去の勤務内容や評価が確認される可能性があるため、経歴は正確に記載することが信頼につながります。
履歴書や職務経歴書に嘘を書いたら内定取り消しになる?
「内定」という言葉は、法律で明確に定義されているわけではありません。しかし、裁判の判断(判例)では、内定が出された時点で企業と求職者の間に雇用契約が成立しているとみなされています。つまり、内定は「入社日以降に働くことを約束した契約」という位置づけです。
そのため、企業が一方的な都合で内定を取り消す行為は、契約を解除する(=解雇する)ことと同じ扱いになります。この場合、「合理的な理由」や「社会的に見て妥当な事情」がなければ、内定取消は無効と判断されます。
ただし、企業側に明確な理由がある場合には、内定取消が認められるケースも存在します。実際に取り消しが認められるのは、以下のような場合です。
・学校を卒業できなかった場合
・就労に必要な免許や資格を取得できなかった場合
・健康状態が悪化し、業務に大きな支障が出る場合
・履歴書や誓約書に重大な虚偽の記載があった場合
・重大な犯罪行為があった場合 など
(出典:旧労働省労働基準局監督課編「採用から解雇、退職まで」)ー日本労働組合総連合会
履歴書や職務経歴書で経歴詐称を行った場合、詐称の内容によっては内定が取り消される可能性があります。
「どこからが重大な虚偽記載に当たるのか」という明確な基準はありません。そのため、実際の判断は企業ごとに異なります。
ただし内定取消にならなかったとしても、詐称をした事実が消えるわけではありません。社内で噂が広まったり、評価が下がったりすることで、働きづらい状況になる可能性もあります。
経歴は「盛る」より「正しく伝える」が正解
経歴で少し話を盛ってしまうことは、多くの人が経験しているのではないでしょうか。
うっかりしたミスであれば問題にならない場合がほとんどですが、嘘とわかって記載した内容は重大なトラブルにつながる可能性があり、場合によっては内定取り消しの対象となります。仮に嘘がバレず採用されたとしても、履歴書や職務経歴書の保管期間中ずっと不安を抱えて働くことになります。
経歴をごまかすことは一時的に有利に見えても、長期的にはあなた自身を苦しめる結果になります。自分を偽らず、正直に向き合うことでこそ「本当に自分に合った職場」と出会えるはずです。
誠実に自分を伝えられる環境でこそ、あなたの本当の力が発揮されます。
名前:Kei
職業:大学のキャリアセンターで新卒〜既卒・第二新卒の就職支援を担当(現職)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
経歴:大学を卒業後、5年間で5回の転職(派遣・アルバイト・正社員含む)を繰り返した経験から、職業選択の重要性を痛感。現在は大学のキャリアセンターで働き、多くの求職者支援に携わる。







