名前:Kei 職業:大学のキャリアセンターで新卒〜若年者の就職支援を担当(現役) キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。 資格: 備考:大学卒業後、新卒で金融業界に就職するが1年で退職。その後さまざまな仕事を経験するも、自分に合わず5年間で5回の転職を経験。この経験から仕事の選択の重要性を痛感し、キャリアコンサルタント等の資格を取得して大学のキャリアセンターに転職。これまでに多くの求職者サポートに携わる。 |
採用選考を受ける際、履歴書作成など応募書類の作成にはかなりの時間がかかります。
自己PRを書く場合、第二新卒の強みと企業のニーズを理解している必要がありまが、より説得力のある自己PRを作成するためには、第二新卒の強みだけでなく「あなた自身の強み」を企業のニーズに合わせて文章に落とし込む必要があります。
なぜなら、企業が知りたいのは「第二新卒の強み」ではなく「あなた自身の強み」だからです。
ですが、自己PRの作成は言語化が難しく苦戦する人が多いです。
そこでこの記事では、ChatGPTを使って自己PRを作る方法と、実際の採用選考で使う際に注意すべき点を解説していきます。
第二新卒の強み
第二新卒というのは一般的に「正社員経験のある卒後3年以内の求職者」を指します。
以前は、短期間で離職する人材に対してマイナスの評価をする企業が多かったのですが、最近では人材の流動化が重視されるようになり、企業側の第二新卒採用ニーズが高まっています。
第二新卒の強みについては
- まだ若く柔軟性があり、将来性がある
- 基本的なビジネスマナーが身についている
- 新卒採用と違い、採用時期が決まっていないので募集が企業のタイミングでできる
といった点が挙げられます。
ただし、繰り返しますが企業側が自己PRとして知りたいのは「第二新卒の強み」ではなく「あなた自身の強み」です。その為、自己PRを作るには自己分析をして、よりパーソナライズされた文章にする必要があります。
ChatGPTは就職活動で使える
ChatGPTは言語処理タスクに優れている為、頭の中にある抽象的なものを言語化する事に役立ちます。
正直、文章が上手だからといって会社で活躍できるとは限りません。文章が下手でも会社で活躍している人は多いです。
ですが、採用選考においてはまず「履歴書に書かれている情報」が見られる為、文章で上手にアピールできている人が圧倒的に有利です。
書類選考の段階で落とされてしまっては、どんなに優秀な人材でも採用されることはありません。その為、履歴書を作成する際にはしっかりと自己分析をして、自分のどんな部分をアピールするのか考え、説得力のある文章に落とし込む事が大切になります。
ChatGPTを使う場面
ChatGPTは履歴書などを作成する際にとても便利ですが、単にテキストボックスに「履歴書の自己PRを書いて」と質問を入力しても良い結果は得られません。
なぜなら自己PRは個人のパーソナルな部分を深く書いていく必要がありますが、ChatGPTから得られるのは広く一般的な回答になるからです。
その為、ChatGPTを使う際に効果的なのは以下の部分になります。
アイデア出し
通常、自己PRを作成するにはまず自己分析が必要になります。
自分の長所を表すキーワードを考え、それを証明する過去の経験(エピソード)を思いだし、そのエピソードを「なぜ?」と深堀し、応募する企業のニーズに併せて文章の形を整えていくというのが一般的な流れです。
ですが、場合によっては沢山の例を見た中で「自分に近い例」をいくつかピックアップし、より自分にフィットさせていく方がスムーズにいく事も多いです。
そういう「例を沢山見る=アイデア出し」の部分でChatGPTは活躍してくれます。
例えばCharGPTに「自己PRの一覧を箇条書きで」依頼したとします。
すると、下記のように多くの例を提示してくれます。
また、もし自分の中でより具体的にイメージしている長所があれば、それを基に質問をなげかけると、更に自分自身にフィットした回答を得られる事が多いです。
例えば、「責任感が強く何事にも真摯に取り組む事が長所」だと感じているけれど、もっと的確に自分を表すキーワードが欲しいと思う場合、それをChatGPTに投げかけます。
すると、それに関連した沢山の長所(例)が出てきます。
深堀りができる
自己分析をする為には、自分の内面を深く掘り下げていく必要がありますが、この作業は苦手な人も多く時間がかかりがちです。
ですが、これもChatGPTを使う事ができます。
ChatGPTは前の質問を覚えているので、追加で質問を繰り返していく事で、考えをより深める事ができます。
文章の校正
自己PRを書いていると、文章の表現が間違っていたり言い回しがおかしくても気づかないことがあります。
そんな時に自分の書いた文章を貼り付けて、「この表現よりいい書き方はある?」などと質問すると、より良い文章に変換してくれることがあります。
「あなた自身」の強み・自己PR(例文)
では、実際にChatGPTを使って自己PRを作ってみましょう。
質問の方法
- 求人先:人材会社のコーディネーター
- 求める人物像:熱意がある、誠実な人
- 私の強み:人の支援にやりがいを感じる。目標を持って達成するまで努力できる。カウンセリング資格を取得済
これらの情報を、下記のように質問してみます。
【人材会社への自己PRを、下記を考慮して考えて】
- 求人先:人材会社のコーディネーター
- 求める人物像:熱意を持って、誠実に取り組む人
- 私の強み:人の支援にやりがいを感じる、目標を持ち達成するまで努力できる
- 備考:カウンセリング資格
すると下記のように回答してくれました。
実際の回答例
【自己PR】
私は人材コーディネーターとして、企業と求職者の双方にとって最適なマッチングを実現することを目指し、日々業務に取り組んでいます。熱意を持って、誠実に取り組み、クライアント企業のニーズに応えることを大切にしています。
私の強みは、人と接することが好きで、コミュニケーション能力に優れていることです。また、カウンセリング資格を持っており、求職者や社員の方々に対して、キャリアアップや転職に関するアドバイスなど、幅広い支援が可能です。
さらに、目標を持って取り組むことが得意で、常に自己研鑽を怠らず、人材業界に関する最新情報をキャッチアップするように心がけています。これまでの業務経験を活かし、クライアント企業と求職者の両方から信頼される人材コーディネーターとして、貢献していきたいと考えています。
以上が私の自己PRとなります。どうぞよろしくお願いいたします。
いかがでしょう?
より説得力を持たせてアピールするにはもう少しエピソードが欲しい所ですが、文章的にはまとまりがあって綺麗ですよね。
ここから改良していく必要はありますが、伝えたいことは全て含まれているので、叩き台としては取り敢えず合格点ではないでしょうか。
ちなみにChatGPTは少し前の会話を覚えているので、「○○を追加して」と入力すると文書を作り直してくれますし、「300文字以内」など文字数指定をすることもできます。
面接の練習にも使える
ChatGPTは面接の個人練習にも使うことができます。
私は仕事で模擬面接の対応をすることが多いのですが、面接が得意だという人はほとんど見かけません。
「面接が苦手」という人に「何が苦手なのか」を聞くと、多くの方から「どのような質問をされるかわからないから」という回答が返ってきます。
ですが、面接の場で質問されることは大体同じです。
自己分析と企業分析をしっかり行っていれば自然に答えられることが多いです。
面接が苦手という人は「この質問がきたらこう答えよう」と、一問一答形式で答えを作り込んでいる傾向があります。その為「予期しない質問をされたらどうしよう」と、必要以上に心配をしてしまいがちです。
その場合は、質問に対する「答え」をいくつも考えるのではなく、多くの例に触れて「答え方」を学んだ方が練習になることもあります。
そして、この「例を出す」という作業はChatGPTが得意な分野です。
面接でどんな質問をされそうか考え、ChatGPTに質問して沢山例を見て経験値を上げていきましょう。
ChatGPTを使う際の注意点
将来的に、ChatGPTのような人工知能AIは就職活動の場でも広く利用されることが予想されます。
今後どんどん改良はされていくと思うのですが、使用する際に気をつけて欲しい事がいくつかあります。
情報が間違っている事がある
ChatGPTには最新の情報が入っている訳ではありません。
また結構間違っている事を回答している場合があります。
今回紹介している方法は、自己PRなど抽象的なものを言語化する事が目的なので「情報」という観点では使わないかもしれませんが、あくまで「完璧ではない」という事を頭の片隅に入れておきましょう。
「手助けのツール」という位置付けで利用することをおすすめします。
履歴書美人になりやすい
「履歴書美人」という言葉をご存じでしょうか?
これは「履歴書に貼られた顔写真が美人」という意味ではありません。
履歴書美人とは、履歴書でとても好印象だった求職者が面接に来ると、思った程では無かったため低評価される事を指します。
ChatGPTを使うと、誰でも簡単に美しい文章が書けてしまいます。
ですが文章が綺麗なあまり、本当の自分と履歴書に書かれている自分にギャップが生まれやすい傾向があるので、他人からの視点を取り入れる事を強くおすすめします。
ChatGPTは言語化にとても優れているのですが、あなたの事を知った上で回答してくれる訳ではありません。
そしてChatGPTで書類選考に合格したとしても、後に必ず面接を受ける事になります。
最終的に履歴書上の印象と面接時のギャップを埋めるにはやはり第三者に見てもらう必要がありますので、第二新卒に特化した転職サイトや転職エージェントを利用することをおすすめします。
第二新卒に特化した転職サイトや転職エージェントは、一般向けのものと違いキャリアカウンセリングや、応募書類作成のサポート・模擬面接対策等々…親身になって手厚い支援をしてくれる所が多いです。
ただ第二新卒と言っても様々なタイプの方がいるので、このサイトではタイプ別に分けておすすめの転職サイト・転職エージェントを紹介しています。