職業:大学のキャリアセンターで新卒〜既卒・第二新卒の就職支援を担当(現役)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
備考:大学卒業後、新卒で銀行に就職したものの1年で退職し、その後5年間で5回の転職(派遣・アルバイト・正社員含む)を経験。この経験から職業選択の重要性を痛感し、キャリアと心理に関する複数の資格を取得。大学のキャリアセンターに転職しこれまでに多くの求職者サポートに携わる。
この記事では、実際に失業手当を受けながら就職活動を行い、現在は就職支援の仕事に携わっている筆者が
失業保険を受け取れる期間は「いつからいつまで」なのか、期間や注意点についてわかりやすく解説します。
失業保険はいつからいつまで貰えるのか
失業手当は、年齢や被保険者期間によってそれぞれ所定の給付日数が設けられますが、原則として離職日の翌日から1年間が限度※となっています。
※短期雇用特例被保険者は、離職日の翌日から6か月間
この期間内であれば、所定給付日数を限度として支給を受けることができますが、ハローワークでの申請が遅れてしまうと、その分給付も遅くなります。
その場合、受給総額は変わりませんが、1年を超えてしまうと給付期間が残っているにも関わらず給付が終了するので、離職票が届き次第早めに手続きを行いましょう。
入社日が内定日から数ヶ月先の場合はどうなる?
入社日が内定日から数ヶ月先であった場合、失業手当は入社日の前日まで(所定給付日数内で)支給されます。
就職が決まる際には、通常下記のような流れを辿ります。
- 応募企業から内定通知を受ける
- 内定承諾をする
- 企業と相談の上、入社日を決める
内定通知を受け、内定の承諾をしたとしても、その時点では「職業に就いていない」状況に変わりはないので、引き続き失業手当を受ける事ができます。
失業手当を受け取れない場合
失業保険を受給するには、7日間の待機期間や雇用保険説明会、給付制限期間(自己都合退職)等を経なければなりません。
ですが、そもそも失業手当の受給資格が確定する前(待機期間中)に就職が決まっていた場合、失業保険の給付対象外となるので注意して下さい。
また早期に就職が決まった場合に支給される再就職手当も、待機期間中に就職が決まると受給できません。
再就職手当を受け取れない場合
早期に就職が決まった場合、失業手当を受け取れなくても再就職手当を受け取れるケースは多いです。
ただし、再就職手当を給付する目的は、「早期の再就職を促す」為なので
失業手当の支給残日数が一定以上残っており、かつ待機期間満了後(場合によってはプラス1ヶ月※)以降の就職でなければ支給されません。
※ハローワークや職業紹介事業者(転職エージェントなど)を通さず、自分自身で応募した(求職者と求人先の間に仲介者がいない)場合
就職が決まるのが早かったとしても、待機期間の間に決まったり、待機満了後1ヶ月の間に自分で応募した先に決まると再就職手当は受け取れません。
また待機満了後1ヶ月の間は、許可届出を受けた職業紹介事業者のルートで内定したものしか認められない(つまり求人サイト等は該当しない)ので注意してください。
受給できる給付日数と金額について
失業手当の受給期間は年齢や被保険者であった期間によって変わります。
例えば、年齢が30歳未満で、被保険者期間が1年以上〜5年未満だった場合、所定給付日数は90日間となります。
ー引用:ハローワーク 基本手当の所定給付日数
受給金額は離職者の賃金日額に基づき、受け取れる金額(基本手当日額)を算出しています。(離職者の「賃金日額」に基づき「基本手当日額」を算定)
賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
離職時の年齢が29歳以下 | ||
2,746円以上5,110円未満 | 80% | 2,196円〜4,087円 |
5,110円以上12,580円以下 | 80%〜50% | 4,088円〜6,290円 |
12,580円超13,890円以下 | 50% | 6,290円〜6,945円 |
13,890円超 | ー | 6,945円※上限額 |
離職時の年齢が30〜44歳 | ||
2,746円以上5,110円未満 | 80% | 2,196円〜4,087円 |
5,110円以上12,580円以下 | 80%〜50% | 4,088円〜6,290円 |
12,580円超15,430円以下 | 50% | 6,290円〜7,715円 |
15,430円超 | ー | 7,715円※上限額 |
離職時の年齢が45〜59歳 | ||
2,746円以上5,110円未満 | 80% | 2,196円〜4,087円 |
5,110円以上12,580円以下 | 80%〜50% | 4,088円〜6,290円 |
12,580円超16,980円以下 | 50% | 6,290円〜8,490円 |
16,980円超 | ー | 8,490円※上限額 |
離職時の年齢が60〜64歳 | ||
2,746円以上5,110円未満 | 80% | 2,196円〜4,087円 |
5,110円以上11,300円以下 | 80%〜45% | 4,088円〜5,085円 |
11,300円超16,210円以下 | 45% | 5,085円〜7,294円 |
16,210円超 | ー | 7,294円※上限額 |
ー参照:厚生労働省資料①
例えば、29歳で賃金日額が20,000円だったとしても上限額(13,890円)にかかるので、基本手当日額は6,945円/1日となります。
所定給付日数が90日だった場合は、6,945円×90日が、失業手当を受給できる最大限の金額になります。
賃金日額については上限額と下限額が設定されており、この額は「毎月勤労統計」の平均定期給与額の増減により変動します。
【賃金日額・基本手当日額の下限額 R5.8.1〜】
全年齢 | 賃金日額の下限 | 基本手当日額の下限 | ||
2,746円 | 2,196円 |
ー参照:厚生労働省資料①
まとめ
失業保険は入社日の前日まで受給できるので、例え内定日と入社日が数ヶ月離れていたとしても入社日の前日まで受け取る事ができます。
ただし、ハローワークでの手続き前に就職が決まっていたり、待機期間中に内定を得た場合は給付対象外となるので注意して下さい。
また、給付制限期間終了後から給付制限期間の間に内定を得た場合、入社日(就職日)の前日までは失業手当を受け取れますし
入社日が再就職手当の期間内であれば、(失業手当の給付は終了しますが)再就職手当の給付を受ける事が可能です。
最後に。
失業手当を受給するには、4週間ごとに設定されている認定日に「求職活動実績」を行なっていなければなりません。
筆者自身、失業手当を受けるにあたりハローワークへの職業相談や対面イベントへの参加など、様々な求職活動を行ってきた経験がありますが
求職活動実績には転職エージェントの行うオンラインセミナーが利用しやすいのでオススメです。
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参考①厚生労働省
www.mhlw.go.jp/content/001125522.pdf