職業:大学のキャリアセンターで新卒〜既卒・第二新卒の就職支援を担当(現役)
資格:キャリアコンサルタント(国家資格)の他、CDA(キャリアデペロップメントアドバイザー)、進路アドバイザー、メンタルヘルスマネジメントⅡ・Ⅲ種など、キャリアと心理に係る多くの資格を取得。
経歴:大学を卒業後、5年間で5回の転職(派遣・アルバイト・正社員含む)を繰り返した経験から、職業選択の重要性を痛感。また派遣会社でのコーディネーターとして働きたいと考えていた時期があり、研究の為に約20社の派遣会社に登録した過去を持つ。現在は大学のキャリアセンターで働き、多くの求職者支援に携わる。
この記事では、実際に紹介予定派遣を2回経験し、そのどちらも正社員として採用された筆者が
登録から直接採用(正社員)採用までのプロセスなどについて、自身の経験を交えながら3分程度でわかりやすく解説します!
紹介予定派遣とは
紹介予定派遣とは、人材派遣と人材紹介の両方のメリットを活かす採用方法です。
派遣社員として一定期間(最長6ヶ月)働いた後、企業側と派遣社員の双方が希望すれば、そのまま直接雇用に切り替えることができます。
※紹介予定派遣を直接雇用した後に試用期間を設ける事は禁止されています。二重で試用期間を設ける事になるからです。
この方法では、派遣期間を経て直接雇用(正社員や契約社員)に移行できるため
派遣社員側は「自分に合うか確かめてから選べる」という利点があり、企業側も「早期退職の防止」や「採用候補者の適性をじっくり評価したい」といった要望に応えることができます。
採用方法としてはそこまでメジャーではありませんが、双方のミスマッチを防げるといったメリットがあるので人気があります。
ただし、メジャーでない分「紹介予定派遣から正社員の仕事を探したい」という求職者の方はあまりいません。
そもそも紹介予定派遣を扱うのは「派遣会社」になるので、その入り口から「正社員(直接雇用)を目指す」という考え方をする人は少ないのです。
経験上、紹介予定派遣を使う流れとしてよくあるのは
「正社員で仕事を探したけれど、条件が合わない。」
「正社員の求人に中々採用されない」
「未経験から経験を積んで、いずれ正規雇用になりたい」
というケースです。
登録から直接雇用までの流れ
派遣会社に登録し、紹介予定派遣の求人に応募してから、派遣期間を経て正社員(直接雇用)に至るまでの流れを、自身の経験を踏まえて詳しく解説します。
①派遣会社に登録する
派遣会社の中にはあまり良い噂を聞かない所もありますので、紹介予定派遣を利用するのであれば、ある程度大手で紹介予定派遣の実績がある所を選ぶようにしましょう。
また、求人数が少ない為、派遣会社の登録は複数行いましょう。
ちなみに、紹介予定派遣を複数使うなら、その中にテンプスタッフを入れておく事をおすすめします。
筆者も利用した派遣会社なのですが、実績も多くフォローも丁寧なので安心して利用できました。
登録方法については、一般の派遣と考えて問題ありません。
まず簡単なフォーマットに、自身の経歴や希望、条件などの情報を入力し、登録を行います。
その後、本登録の為に来社予約をするのですが、最近は来社せずWebや電話で本登録が完了する派遣会社が多いです。
紹介予定派遣を希望している場合、本登録時にその旨を伝えましょう。
ランキング1位:テンプスタッフ(筆者も利用)
・求人数は業界トップクラス! ・取引先企業が豊富 ・大手派遣会社なので未経験でも安心 ・サポートがきめ細やかで終業後も心強い ・スキルアップサポートも充実 ・半日有給休暇や通勤交通費の支給など福利厚生が充実 |
ランキング2位:テンプスタッフ funtable
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②スキルチェック
本登録時に行われる事が多いスキルチェックですが、これは簡単な計算問題やWord、Excelといった基本ソフトの操作を見られる事が多く、そこまで高いレベルのものではありません。
③求人の紹介
派遣会社からは、登録時に入力した希望に基づき、その条件に応じた求人を紹介されます。
その為、不明瞭な点があれば仕事を紹介された時点で派遣会社に確認しましょう。
派遣会社は基本的に派遣社員の味方です。
また、紹介予定派遣を利用している企業は「継続して」利用している事が多いです。
そのため派遣会社との「信頼関係」が大切になります。
もし紹介予定派遣から正社員(直接雇用)に移行した人がすぐに辞めた場合、企業は損失を被りますし、派遣会社に対する信頼が揺らぎ、次回以降の契約にも関わってきます。
④応募・採用選考(書類・面接)
求人を紹介され、応募するとまず書類選考となります。
派遣会社は基本的に「採用される可能性が高い」と思う人にその求人を紹介をするので、箸にも棒にもかからない場合は紹介しません。
また、書類選考の前には派遣会社が添削を行なってくれる事が多いです。
書類選考を通過すると、次は派遣先企業との面接になります。
実は、通常の派遣は派遣会社が選考を行うので、派遣先企業は選考に関わる事ができないのですが
紹介予定派遣の場合は「正社員(直接雇用)を前提に」採用するので、選考に関わる事が認められているのです。
面接も、事前に派遣会社の方が模擬面接の練習をしてくれる事が多いです。
また、筆者は派遣会社の方にも信頼されるよう、メールや電話の返信はすぐ行っていましたし、添削や面接練習で指摘を受けた場合もすぐ直すように気をつけていました。
派遣会社を利用する人の中には、受験先には良い顔をしているのに、派遣会社に対しては横柄な態度をとる人もいます。
でも、それは非常にもったいないです。
私は本番の面接が終わった後、派遣会社の担当の方に
「ここだけの話、先方にはKeiさんを推薦しています。」と言われました。(受験者は10名ほどいました)
私が採用されたのは、派遣会社の方に推してもらった事が理由ではないのかもしれませんが、派遣会社の方と信頼関係を作る事がデメリットに働く事は一つもありません。
派遣会社を利用するなら、自分の味方だと思って信頼関係を作られる事をおすすめします。
⑤派遣社員として就業
選考の合否については、派遣会社を通じて通知されます。
入社当日は派遣会社の担当者も同行してくれます。
派遣期間中のトラブルなどは全て派遣会社に相談しましょう。
⑥派遣社員から正社員(直接雇用)になるまでの流れ
派遣期間(最長6ヶ月)が過ぎると
①派遣期間終了後の雇用について、企業と派遣社員の意思確認
②派遣会社の雇用手続き終了後、派遣先企業にて入社の手続き
以上の流れを経て正社員(直接雇用)に切り替わります。
直接雇用の移行については、全て派遣会社の方で行なってくれます。
また、もし正社員(直接雇用)にならなかった場合、そこで派遣先企業との関係は終了しますが
引き続き就職活動をする場合は同じ派遣会社に依頼する事も可能です。
別の派遣会社を利用する事もできますが、引き続き同じ派遣会社を利用する方が、今回の合意に至らなかった原因なども踏まえて求人を探して貰えます。
また、職歴は基本的に少ない方が市場価値が高いと言われていますが、同じ派遣会社から別の会社に派遣されても、職歴は1社となるので転職の数を気にされている方にもおすすめです。
まとめ
この記事では、筆者が実際に2回の紹介予定派遣経験を通じて経験した事を交えながら、面接から採用までのプロセスについて解説しました。
紹介予定派遣は人材派遣と人材紹介のメリットを組み合わせた採用方法であり、最長6ヶ月の派遣期間を経て、双方の合意があれば正社員(直接雇用)に移行できる特徴があります。
派遣期間が短い理由は、試用期間の意味合いがある為で、紹介予定派遣から直接雇用後に試用期間を設けることは禁止されています。
紹介予定派遣では、派遣期間を経て直接雇用に移行できるため、派遣社員は仕事に適しているかどうか確認できる利点があり、企業も早期退職の防止や適性の評価に応えることができます。
ただし紹介予定派遣は、入り口が派遣会社であるため、最初から正社員を目指す人は少ないという傾向があります。
登録から直接雇用までの流れは、派遣会社の登録、スキルチェック、求人紹介、応募・採用選考(書類・面接)、派遣社員としての就業といったステップがあり
特に派遣期間中のトラブルや不明瞭な点は、全て派遣会社に相談できるといった点は安心です。
また、派遣期間(最長6ヶ月)終了後には、企業と派遣社員の意思確認と派遣会社による雇用手続き、そして派遣先企業での入社手続きを経て、正社員に切り替わります。
最後に、派遣会社を利用する場合は、派遣先企業だけでなく、派遣会社との信頼関係を築くことが重要です。
なぜなら経験上、派遣会社が派遣先企業に推薦してくれることもありますし、派遣期間はもとより、派遣期間終了後もずっと関わる事になるからです。
(紹介予定派遣を継続して利用する企業が多いので、同じ派遣会社の方が定期的に来られ、顔を合わせる事も多いです)
紹介予定派遣をお勧めしたい理由について、詳しくはこちらにまとめていますので、ぜひ併せて読んでみて下さいね!